ブレイクアウトはFXのテクニカル分析をするうえでたくさんの人が意識する動きだと思います
水平線やトレンドライン、移動平均線などのラインに沿って動いていたローソク足が、ラインを突き抜けてラインの反対側にいく値動きです
ブレイクアウトが起こるとその方向にトレンドが発生していくことが多いので、上にブレイクアウトしたからロング、下に抜けたからショートというのはトレード手法として悪いものではありません
ですが、ひと手間加えるとさらに勝率、値幅をアップすることができます
そのひと手間が今回紹介する”ブレイクワンタッチ”です(リテストともいいます)
水平線を引いて、ブレイクしてからエントリーしてるのに即含み損…
上手くいくこともあるけど、ダマシにあったり含み損が大きくなる可能性があるね
FXはブレイクアウト狙いでは勝てない?
FXでよくあるねらい目としてブレイクアウトの値動きを狙うというのがあります
ブレイクアウトというのは三角保合いなどの状態から、一方向に大きくレートが飛び出す動きのことをいいます
三角保合いなどの上値抵抗線などのライン近くでは、ラインを抜けると考えてトレードする人と抜けないと考える人の売り買いが交差しています
なので、ラインを抜けない派の人たちはラインを抜けてレートが動き出すと損切りを準備している人が多いため、その損切りを巻き込んで、ラインを抜けた直後に、価格が突発的に動くことがあります
そのため三角保合いなどの値動きが小さい状態はエネルギーがたまった状態といわれ、このレンジ相場が長いほど多くの売買=エネルギーがライン付近に溜まることになり、このエネルギーがブレイクアウトによってその方向に動き出す=大きな値動きが期待できるので、その方向にエントリーするというやり方がブレイクアウト手法です
三角保合いだけでなく、水平線や移動平均線をブレイクしたときなどもブレイクアウトといいます
このようになんだか理屈も通っていて大きな利益を出せそうなブレイクアウト手法ですが、うまくやらないと勝つことができません
ブレイクアウトのメリット・デメリットを見ていきましょう
ブレイクアウト手法のメリット
ブレイクアウトを狙う手法には2つのメリットがあります
- エントリーの判断がしやすい
- 大きな利益を狙える
1つずつもう少し詳しく見ていきましょう
エントリーの判断がしやすい
ブレイクアウトはエントリー場所が初心者でもわかりやすいのでエントリーのタイミングがつかみやすくいろんなところでおすすめされています
インジケーターの細かい数値まで見る必要がなくラインを超えるか超えないかを確認するだけなので、難しい知識が必要なく、誰にでも実践できる手法と言えます
1回のトレードで大きな利益を狙える
ブレイクアウト狙いの手法では、ブレイクアウト前に溜めたエネルギーを一気に開放するのでその後、トレンドが発生しやすく、短期間で大きな利益を得られる可能性があります
ブレイクアウトはトレンドの初動を狙うので上手くいけば、1回のトレードで大きな利益を出すことができます
エントリー回数を絞って勝率重視でトレードするのに向いた手法と言えます
ブレイクアウト手法のデメリット
ブレイクアウトには残念ながらデメリットも存在します
- ダマシが多い
- 取引量が増えがち
- ブレイクアウトが伸びないこともある
- エントリーチャンスが少ない
こちらも1つずつ見ていきましょう
ダマシが多い
ブレイクアウトを狙う最大のデメリットはダマシが多いことです
ダマシとはレンジからブレイクアウトしたと思ってもすぐにレンジの中にまたレートが戻ってきてしまうことをいいます
ダマシ発生後、すぐに損切りできれば良いですが、適切なタイミングで損切りできないと大きな損失につながる場合があります
また、ブレイクアウトまでの間のレンジ相場で早めにエントリーして含み損を抱えてしまっても、レンジ相場だからまたもとのレートに戻るだろうと考えて損切りを先延ばししてしまうことも負けを大きくする原因になります
すべての手法でいえることですが、エントリーと利確タイミングだけでなく、損切りタイミングも事前に計画してエントリーすべきでしょう
取引量が増えがち
ブレイクアウト手法では当然ブレイクアウト待ちの状態があります
値動きの小さいこの段階で焦れてしまって、ロットを増やしてしまい大きな損失を出してしまうことがあります
ブレイクアウトが伸びないこともある
先程メリットとして挙げたようにエントリーポイントはわかりやすいのですが、ブレイクアウト後は利確の目印がありません
また、ブレイクアウト後トレンドが伸びないこともあります
これらのことを理解してポジションを引っ張りすぎてしまって結局利確し損ねてしまうということがないよう注意が必要です
エントリーチャンスが少ない
ブレイクアウトはトレンド相場やレンジ相場に沿って取引きする手法よりもチャンスが少ない手法です
相場は基本的に レンジ→ブレイクアウト→トレンド→レンジという流れで形成されます
ブレイクアウトはレンジからトレンドに切り替わる瞬間しか起こりえない値動きなので、1日に何回もチャンスが訪れる手法ではありません
メリットとして大きな値動きが狙えるということを紹介しましたが、あまりにも安易にエントリーしすぎると損切り貧乏になりかねません
ブレイクワンタッチの値動き
そんなわけでブレイクアウトというポピュラーな手法ですらデメリットも多数存在し、勝てない場合も多々あるようです
そこでブレイクアウトを少し応用したブレイクワンタッチを使ってより高い勝率を目指しましょう。というのがこの記事のテーマです
どう動いたらブレイクワンタッチなの
ブレイクしたあとワンタッチするためにレートが戻ってくる動きだよ
ここでは水平線を上にブレイクしたときを例に挙げて解説していきます
レンジ相場で頭を水平線に抑えられて推移してきたチャートが、ついに水平線を上に突き抜けてブレイクアウトしました
ここですぐに、やっとロングでエントリーできる!と思って飛びついてはいけません
ブレイクアウト後にチャートはもう一度水平線にワンタッチしに戻ってくるからです
ワンタッチしてもう一度上に行く動きを確認してからロングエントリーするのが値幅的にも勝率的にも手堅いトレードになります
なんでブレイクワンタッチを狙うのか
ブレイクした瞬間エントリーじゃだめなの
ワンタッチを待つことにメリットがあるんだよ
ブレイクワンタッチを狙うメリットは2つあります
ブレイクワンタッチを狙うことで勝率があがり、また、勝ったときの利幅が増えるのです
もう少し詳しく解説します
ブレイクワンタッチで勝率アップ
水平線をブレイクした直後にエントリーするのと、ワンタッチを待ってエントリーするのでなぜ勝率が変わるのでしょうか
ブレイクアウト直後にエントリーするとダマシにあうことがあるからです
下の図のように水平線を上に一度抜けた後にまた水平線の下に戻ってしまうパターンです
水平線を引いてみるとわかりますが、上ヒゲだけ水平線から飛び出た状態になることがあると思います
ブレイクアウト即エントリーを狙っているとこういう値動きに騙されてロングして含み損を抱えてしまうことになります
ワンタッチして再度上に行く値動きを確認してからロングすることによって、このダマシを回避することができ勝率アップにつながるということです
ブレイクワンタッチで利幅アップ
続いてブレイクワンタッチで得られる利益の幅が増える理由の解説です
ブレイクアウト直後を狙う場合、すぐにエントリーできれば値幅はワンタッチ後と変わらない、もしくは、よりよいレートで入ることができます
ですが、常にチャートを見ていることができなかったり、瞬間的な値動きでエントリータイミングを逃してしまうことがあります
このときに慌てて飛び乗ると理想のレートより少し高いレートでエントリーしなければならなくなります
利確のレートが同じとき、利幅の差はエントリーしたレートの差になります
ワンタッチ後を狙う場合、ある程度心の準備をして待ち構えることができるのでより有利なレートでエントリーできる可能性が高くなります
ブレイクワンタッチで”待つ勇気”がもてる
すぐに飛びつかないで自分のエントリーポイントを待つことの重要性はいろんな本にかいてあるので、初心者でも頭ではわかっていることだと思います
だけど、そのまま値動きがギューンと突き抜けて稼ぐチャンスを逃したらどうしようと思ってしまうのが、トレーダーの心理です
この心理を抑えて飛びつきエントリーを思いとどまらせてくれるのがブレイクワンタッチです
シンプルでどこまで戻すのかがはっきりと分かるのでここまで待とうと思わせてくれます
そして、簡単にチャートに落とし込めるので何度も検証を重ねることができます
この検証を重ねるうちにブレイクワンタッチの信頼性が高いことが自分の感覚でもわかってきます
そうなれば、もう飛びつきエントリーで無駄に含み損を抱えることはなくなると思います
まとめ
ブレイクアウト直後を狙うのではなく、ブレイクしたラインに戻ってくるワンタッチの動きを待つ手法とそのメリットを解説しました
この値動きのパターンを意識してトレードすることで勝率も勝ったときの値幅もアップできると思います
そしてもう1つ大事なのが、このブレイクワンタッチを使うときの考え方にもあると思います
ブレイクワンタッチを待っているとワンタッチせずにそのまま急角度で上昇、下降してしまってエントリーできないこともあります
ですが、エントリーできない分は良しとして確実な方法を淡々と実行していく。エントリーできそうなタイミングすべてでトレードをしたがらないというのがトレードで勝つために必要な心構えなのかもしれません
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