投機?ギャンブル?
会社に出資して、そのお金で会社が稼いだお金をもらうというのが本来の株式投資だとするならば、短期の株価の値動きを利用して利益を出す短期投資は、投資ではなく投機だ!ということをいわれているのをよく見かけます
投資か投機かなんていう表現のしかたはどうでもよくて、お金を働かせてお金を増やすものは全部投資だと個人的には思ってます
だけど長期投資に比べて短期投資が難しいというのは当たっていると思っていて、よくある短期投資の方法と一緒に短期投資がなんで難しいのか解説していきたいと思います
よくある短期投資のやりかた
株の短期投資(数時間から1週間くらいの期間でやる株式取引)では、みんな主に2つの視点で投資する銘柄と投資するタイミングをはかっています
その2つがファンダメンタルとテクニカルです
ファンダメンタル
ファンダメンタルは多くの人がイメージする会社の業績だとか会社が属する業界全体の勢いとか会社の経済状況を見て、これから伸びそうな情報のある銘柄を見つけるような分析のことです
四季報を読んでみたり、証券会社のホームページで調べられる各銘柄の経済指標を見て株価が割安だから買う、とかこれから新商品がでるから、それが売れそうだから株を買うとかそんな分析をします
短期的な値動きには関係がある場合もありますが、次に紹介するテクニカルのほうがより短期的な値動きには効いているような気がします
テクニカル
会社の業績は全く見ず、株価のチャートだけをみて分析をします
ローソク足の組み合わせのパターンから分析する酒田五法や移動平均線、ボリンジャーバンドなどローソク足の情報を変換したインジケーターを使って分析する手法などがあります
数時間から1週間くらいの短いスパンでトレードする場合、会社の業績などファンダメンタル分析に使うような情報の影響で株価がすぐに動くということはあまりない(もしくは僕達素人が追いつけないくらいの速度で株価にそれらの情報が織り込まれてしまうためついていけない)ので、株の短期トレードをする場合はテクニカル分析をおもにやっていくことになります
銘柄選び
テクニカル分析を行っている銘柄を探すための着眼点は人によって色々ありますがメジャーなところでいくとこんなかんじです
- 出来高急増
- 流動性があること
- 移動平均線からの乖離率が大きい
- もみ合いを出来高の急増を伴い上抜けたもの、新高値をつけたもの
やはり、短い時間で大きく値動きがないと、利益がでないので、今注目されていて、多くの人が売買する銘柄を選ぶ必要があります
また、逆張りで、移動平均線などからの乖離率を利用して、もうすぐ値が反対側に動くだろうというポイントを測る方法、抵抗線などを突破した時に勢いよくその方向に値が動くだろうという予測に基づいた作戦もあります
株探などの銘柄検索サイトではその日の騰落率のランキングがあったりもするので、そういったランキングから、短期的に注目されていそうな銘柄を探すという方法もあります
エントリーのタイミング
売買する銘柄を決めたらいいタイミングでエントリーします
信用取引を行えば株を空売りして安くなったら買い戻してその売り買いの差額で利益を得るというやり方もありますが、初心者は信用取引はできないので、ここでは株を買って値上がりを待つ場合を想定して書いていきます
上昇の小休止を狙う
株価の上昇はトレンドという波に乗って上昇することが多いです
直線的に毎日毎日値を上げるのではなく波打つように上がっていきます
押し目と呼ばれる上昇トレンド中の波の底の部分でエントリーするのが最もよく使われるエントリータイミングです
急激な下落直後を狙う
これはリスクが高めの方法ですが、会社にとって悪い情報(悪材料ともいいます)が出て、急激に株価が下がることがあります
悪い情報の内容、規模にもよりますが株価は買う側と売る側の需給によってなりたっているので、一方的に下がり続けることは少ないです
ある程度下がったところで一旦値を戻すような動きをすることがあるので底を狙って買い向かうという方法もあります
株の短期投資が難しい理由
かなり浅くではありますが、短期投資の雰囲気をここまで紹介しました
ここからはこういった短期投資がなぜ難しいのか、僕なりの分析を解説していきます
含み損に耐えられない
人間の心は得より損に対する感度が高くなっています
プロスペクト理論という理論の中でそういうふうに結論付けられています
損失を避けたい気持ちが強いとき人はどんな行動をするでしょうか
1つはエントリーをとても慎重にするというのが考えられると思います
これは特に悪いことはないと思います
投資の世界にはポジポジ病という言葉があって、なかなかエントリーをいいタイミングまで待ち続けるのが難しいというのは投資をやってみないとわからないことかもしれませんが、エントリーが慎重なのはいいことだと思います
もう1つ、損失を避けたい気持ちが引き起こす行動が短期投資を勝ちにくくします
それが、損失の確定を先延ばしにしてしまうことです
株価の動きを百発百中で当てられる人というのはいません
なので、自分の予想が外れて株価が上がらない銘柄を掴んでしまったとおもったらすぐに手放さなければいけません
(この手放す行為を損切りと投資用語ではいいます)
ですが損を避けようとする気持ちがあるとこのまま握っていればいつかは上がって含み損がなくなるのでは?と考えるようになります
そのまま少し含み損がある状態でとどまっていればただの機会損失ですみますが、そこから更に下がる場合というのもあります
そうすると再起不能になってしまう場合もあります
自分の判断材料に株価が反応しない
なにか好材料を見つけてこれから株価が上がりそうだと思ってある銘柄を買っても、なかなか値動きがないときがあります
すでに自分が見つけた好材料は他の投資家には知られていて、株価にはその情報が織り込まれているというのが考えられる1つの可能性です
また、テクニカル的にいい形だと思っても他の投資家が注目していない銘柄の場合値動きがない場合があります
このように自分が思ったように値動きが起きないのはよくあることで少ない資金で短期投資をすると、自分が投資している対象が値動きしない=他の銘柄が取引できないので機会損失ということになります
長期投資の方が初心者にはおすすめな理由
プロスペクト理論の話や株価が動かない話は短期投資、長期投資どちらの場合にもいえることですが、短期間で大きな利益を得ようとするとより、投資行動が感情に揺さぶられやすくなります
少資金で長い時間をかけて利益を生み出そうとする長期投資の場合、1日2日の値動きでは大きな痛手にはならないことや冷静になるための時間があるので、感情に左右されづらくなります
僕もそうでしたが、最初の頃は100円とか1000円の損失でもすごく嫌なものです
なにかを買ったわけでもないのに自分のお金が減るというのはとても不安な気持ちになります
そういったストレスにまずはなれるために最初からいきなり利益をガンガンだそうとするのではなく、なんとなくチャートを見て、エントリーして損益が増えたり減ったりするのをみて楽しめるくらいの心の余裕が持てるやり方をまずは心がけるのがいいと思います
そのためには短期投資でいきなり1日数万円も稼ごうとして1,000株突っ込むとかするんじゃなくて100株ずついろんな銘柄を味見して、1個でも1年後100円でも株価が値上がりしてたらいいなーという感覚で始めるのが個人的にはいいと思います
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