チャート分析をするうえでマルチタイムフレーム分析は必須です
略してMTFといたりもしますが、トレードする時間軸のチャートだけでなく、上位足、下位足の他の時間枠での流れもみながらチャート分析をするということです
長期足のトレンドには短期足は逆らうことはできません
長期足で下方向にレートが動いていっているのに短期足で一時的に上方向に動くサインがでたからといって、買いポジションをずっと持ち続けていてはいけません
いつかは、長期足の下方向のトレンドに飲み込まれてしまいます
スマホの小さい画面でチャートを見ているとどうしても短い時間足で表示できる範囲はごく短い期間のチャートになってしまうのでチャートの大きい流れを見落としがちです
この記事ではマルチタイムフレームの重要性、スマホでも簡単にできるマルチタイムフレーム分析の方法を解説していきます
自分スキャルパーなんで1分足のチャートしかみないっす!
長期足の方向性も見た方がいいですよ
それはちょっとめんどくさいっす!
大損しないとわからないか
なぜマルチタイムフレーム(MTF)分析が必要なのか?
1つの時間足だけでチャート分析をすると、その時間足の値動きしかわかりません
しかし、短期的には下降トレンドであっても、もっと長期的な時間軸で見ると上昇トレンドが継続中ということもあります
こういう場合に、マルチタイムフレーム分析を行うと、再度上昇に転じる可能性を考慮に入れやすくなり勝率アップ、利益を伸ばす、損失を減らすといったメリットがあります
逆に1つの時間足だけで分析するとエントリーが失敗しやすくなってしまいます
1つの時間足だけで取引すると失敗しやすい理由
なぜ1つの時間足だけで分析するとエントリーが失敗しやすいのかというと、現在の動きが短期的なものか長期的なものかが判断できないからです
為替相場では長期的には上昇していても、短期的に下降することがあるように、常に短期・中期・長期トレンドが同じ動きをしているとは限りません。
そのため1つの時間足だけなら同じようなトレンド相場に見えても、実は大きな時間足に反しているトレンドということが多々あり、このようなトレンドに乗っかろうと考えてエントリーしてしまうと、反対方向の大きいトレンドがすぐに始まってしまい大きな損失を被ってしまう可能性があります
株・FXのチャート分析におけるマルチタイムフレーム分析の基本
マルチタイムフレーム(MTF)分析の基本ルールは3つあります
これら3つのルールにそって分析をすればマルチタイムフレーム分析をしていることになります
1個ずつ解説していきます
マルチタムフレーム分析のルール① 長期足から分析
1つ目のルール 長期足から分析することは簡単です
チャートを見るときの設定を普段1時間足でやっているなら4時間足とかを見ておけばそれでクリアです
メインが1時間足でなくて日足でも5分足でも同じように1段階長い時間足のチャートで分析します
なぜ長期足から分析するのでしょうか
その理由は上位足の大きな流れにそれより短い時間足は逆らうことはできないからです
自分が見ている時間足では下降トレンドが上昇トレンドに転換したと思っても、長期足でチャートを見ると長い下降トレンドの一部のもどりかもしれません
チャートはフラクタル(入れ子)構造 上位足=下位足の集まり
当然すぎることですが、ローソク足は短い時間足を集めると、長い時間足のローソク足が書けます
5分足12本分の期間のチャートの高値、安値、期間の始値、終値を使えば1時間足のローソク足を書くことができます
だから、上位足のチャートを書くために使っている数字は下位足のチャートを書くのに使っている数字の一部ということです
FXチャートのインジケーターの多くは指定した期間のローソク足の高値、安値、始値、終値から算出される数値をもとに作られています
マルチタムフレーム分析のルール② 長期足のトレンドを最重視
”長期足から分析”のところと少しかぶってしまいますが、大事なことなので2回いいます
長期足のトレンドは短期足より重要です
長期足で上昇トレンドが発生していたとして、それより短期足のトレーダーは長期足の上昇トレンドの押し目に向かっていく下落をショートでとったりすることもあります
でも、それを長期足の上昇トレンド中にやっていると自覚していないと痛い目にあいます
いつまでもショートで利益を引っ張れると思ってしまうとせっかくできた含み益もすぐに失うかもしれません
相場の大きな流れ(トレンド)をつかむために長期足から分析していくことが重要です
マルチタムフレーム分析のルール③短期足でベストなエントリータイミングをはかる
長期足で大きな流れを把握したら、次はメインの時間足でエントリー方向を決めます
その次に見るのが短期足です
メインの時間足をより細かく分解したのが短期足なので、よりいいレートでエントリー/決済するには短期足を分析することで分析の精度があがります
1本のローソク足でわかる情報は陰線か陽線か、実体の長さ、ひげの長さくらいですが短期足を見ればそれらのローソク足が描かれるまでの経緯がより詳しくわかります
この細かい値動きの流れから自分の次の売買のタイミング/レートはいつが最適なのかをはかることができます
有名投資家も推奨するマルチタイムフレーム分析
投資やトレードの勉強をするための本として、必ずと行っていいほど紹介される本 投資苑でもマルチタイムフレーム分析は紹介されています
この本で紹介されている手法は自分が日足を見ている想定で、上位足である週足でトレンド把握し、日足で上位足のトレンドに反する動きを見つける。そして下位足でまたトレンドに戻っていこうとする動きを見つけるというものです
多くの投資家に支持される本でも紹介されている手法をやらない手はないですよね!
マルチタイムフレームの考え方は他の手法にも通じている
移動平均線というポピュラーなチャート分析インジケーターがありますが、このインジケーターで目印になるシグナルでパーフェクトオーダーというものがあります
このシグナルは短期足、中期足、長期足でトレンドがそろっていることを示すもので、マルチタイムフレーム分析で確認しようとしている他の時間軸の値動きを指標としている点で考え方が同じと言えます
3つのタイプのマルチタイムフレーム分析
基本的な考え方は共通ですが、マルチタイムフレーム分析にもいくつかやり方があります
3つのマルチタイムフレーム①トリプルスクリーン
投資苑の著者アレクサンダー・エルダーの手法で、複数時間軸のチャートを並列表示するという方法です
例えば、メインで日足を見ている場合、日足チャートといっしょに週足と4時間足を表示させるというものです
今は僕は使ってないですが、DMM FXのスマホアプリでは4分割で複数のチャートが表示できた気がします
3つのマルチタイムフレーム②Know Sure Thing
Know Sure Thing(KST)はローソク足チャートを変換してシグナルを出す、ストキャスティクスなどのインジケーターの仲間です
KSTはレートオブチェンジ(ROC)という現在のレートと過去のレートの差のインジケーターに基づくインジケーターです
ROCで参照する過去のレートの時間軸を4つにすることで複数の時間足のデータを参照することになりマルチタイムフレーム分析が可能になります
3つのマルチタイムフレーム③チャート+長期足インジケーター
通常使用するチャートの上に長期足で使うインジケーターを表示する方法です
例えば日足チャートの上に5日移動平均線を表示させているとしたら、25日移動平均線を表示させると週足の5週移動平均線を表示させるのと同じことになるので、長期足の移動平均線を表示させることになります
マルチタイムフレーム分析を初心者が習得するためにやるべきこと
マルチタイムフレーム分析をFXや株のチャート分析初心者が使いこなせるようになるために今日からやるべきことは、複数時間足を表示させた画像や複数時間足のインジケーターを表示させたチャートの記録を作り、徹底的に言語化することです
僕がこのブログを始めたのも株やFXに関して勉強したことの理解を深めるというのが目的の1つです
言語化できないということは勉強したことを自分のものにできていないということです
ローソク足やインジケーターが表示されただけのチャートを見渡して、どれだけのことに気づき、どれだけのことを言語化できるのかを徹底的にやってみましょう
チャート分析を始めたばかりのころは感覚に頼ってしまい、なんとなく上昇トレンド、なんとなくトレンド反転した、というふうな見方しかできませんが、言語化を習慣化していくと、自分の中のチャート分析の基準が明確になっていき、はっきりとチャート分析の根拠が説明できるようになっていきます
重要だけどマルチタイムフレーム分析は少しめんどくさい
スマホでトレードを行う人、たくさんいると思います
平日働いている人は、PCを立ち上げてトレードしてる人って少ないんじゃないでしょうか?
スマホでトレードするときにネックなのが画面が小さいので複数のチャートやインジケーターを表示するのが難しいってこと
スキャルピングみたいなごく短い時間でトレードが完結してしまう場合画面を切り替えたりする余裕はありません
スイングトレードは時間的余裕はありますがいちいち画面を切り替えて上位足の環境認識してトレードする時間足見て、、とかってやるのはめんどくさい
そんなわずらわしさが初心者にとってはマルチタイムフレーム分析をやらなくさせる原因だと思います
前章 3つのマルチタイムフレーム③チャート+長期足インジケーターはスマホアプリでも簡単にできるのでその方法を具体的に解説していきます
MACDとストキャスティクスのお手軽マルチタイムフレーム分析
ここで例としてあげる方法は日足チャートに日足のストキャスティクスと週足のMACDを表示させる方法です
スマホで僕が使ってるチャートアプリでは一度に表示できるインジケーターは、1種類の時間足のものだけです
日足のチャート、MACD、ストキャスティクスを表示して、MACDのパラメーターをうまいこといじって週足のMACDにしていきます
MACDの日足→週足変換で上位足をチェック
MACDでは指数移動平均線の期間を変えることができます
これをいい感じにして、週足のMACDをつくりましょう
週足チャートでは1週間分の値動きを1本のローソク足で表しています
つまり、日足のローソク足5本分が1本の週足のローソク足に圧縮されているのです
MACDの指数移動平均線で参照する期間を長くすれば、指数移動平均線を書くためのデータは何日分にもできます
1週間の稼働日は5日なので、日足のMACDを表示させる各期間を5倍すれば、実質週足のMACDと同じものが表示できます
このやり方は日足→週足だけでなく、4時間足→日足という方法も当然できます
下位足のインジケーターを上位足のインジケーターに変換するときには、それぞれの時間足の期間の比をインジケーターの期間にかけることで、変換ができます
マルチタイムフレーム分析は意味がない?
たまにマルチタイムフレーム分析は意味がない、勝率が下がるという意見を聞くときがあります
その説によると1分足が上昇し続け、5分足も上昇トレンドを形成という順番で上位足のトレンドが伝播していくというものです
マルチタイムフレーム分析の基本の長期足のトレンドを見る、その理由は長期足のトレンドに短期足の値動きも従うからという考えとは真逆です
この真逆の考えに立てば、確かにマルチタイムフレーム分析は間違っているのかもしれないと少し思います
ですが、結論から言うと僕はこのマルチタイムフレーム分析意味ない説には反対です
短期足の上昇が長期足に伝播することってそんなにあるんでしょうか
短期足では上昇トレンドに見えていても長期足では下降トレンドの途中に下ヒゲがちょっとできてるかな程度にしか見えない可能性もあります
また短期足の短い時間で手仕舞いされるようなトレンドが長期足のポジションの圧力に打ち勝てることはそうそうないと思います
まとめ
今回は日足の情報を参照しているMACDの期間のパラメーターを操作することで週足のMACDを見るのと同じ情報が得られる方法を紹介しました
多くのインジケーターは期間を自分で自由に操作できるようになっているので今回のMACDの例を理解してもらえればどんなインジケーターでも、トレードする時間軸のローソク足+上位足のインジケーターという表示ができるようになると思います
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