株式投資をするときには、できるだけ安く買って高く売りたいですよね
しかし銘柄ごとに株価が100円だったり1000円だったりして、単純に1株あたりの株価が安い銘柄を買っておけばいいというものでもありません
ただ”安い”ものを探すというよりも、実際の価値よりも”割安”な銘柄を探す必要があります
ではどうやって銘柄同士を比較して割安な銘柄を探せばいいのでしょうか
四季報とかにはいろんな数字が書いてあるけど、どう見ればいいのかわからない…
会社のお財布事情を財務指標で読み解く
四季報や証券会社の銘柄情報を見ると様々な財務指標が書かれています
これらの指標を読み解くことで会社の安定性や会社の価値に対する現在の株価の割安/割高などがわかるようになります
他の投資家もこういった情報をもとに銘柄選定をするので、人より早く優良銘柄を見つけることができればその後買いが集中したときの値上がりを享受することができます
財務指標の見方を勉強して、値上がりしそうな銘柄を早めに見つける力をつけましょう
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売上高、利益
会社というのはモノやサービスを売って、利益を上げるのが目的です
それがうまくいっているかどうか知るのに一番手っ取り早いのが、売り上げや利益を見ることです。また、利益の中から配当が出るのでそのあたりも投資家としては気になるところです。
- 売上高・・・各決算期間の売上高
- 営業利益・・売上高から商品を仕入れるのにつかったお金や管理費などのコストを引いたもの 本業でどれだけ儲けたかを表す。
- 経常利益・・営業利益に本業以外の利益や損失を足したもの。他社の株を保有している場合の配当や為替変動による損益など
- 税前利益・・経常利益に特別利益、特別損失を足したもの。(特別利益、特別損:失資産の売却や工場の閉鎖などに伴う損益)
- 純利益・・・税前利益から税金を引いたもの。最終利益
- 1株益・・・純利益を発行済株式数で割ったもの
- 1株配・・・1株当たりの配当金
それぞれの指標の意味はわかったけど、この数字がどうなっている銘柄を買えばいいの?
利益の前年比や利益を発行株数で割って比べるよ
基本的には売上高も利益も右肩上がりの方が会社の調子がいいといえます
また、その利益が本業によって生み出されたものなのか、そのほかの要因で変動したものなのかは営業利益と経常利益の差などからわかります
また、他の銘柄との比較をするためには”1株あたり”の指標に換算するで比較ができるようになります
当然会社の規模が大きい(≒株式発行数が多い)方が利益の絶対値は大きくなります
ですが、規模が小さく手も1株当たりの利益が多い会社があれば今後の成長が期待できるので株価上昇が見込めます
また、1株配が前年と比べて増えそうなら、それ目当ての投資家が集まってくるかもしれません。
また、利益、配当の話が出たのでついでにこの言葉も紹介しておきます。
- 配当性向・・1株配÷1株当たりの当期純利益×100。会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかを表す。
この値は高い方が株主に利益を還元してくれていてうれしい気もしますが、配当性向が低い=悪い企業とは必ずしも言い切れません。会社の成長のための投資にお金を回したいのかもしれません。配当性向が高いかどうかだけでなく、無理をして配当を出していないかどうかをチェックすることも必要です。
ROE(Return On Equity、自己資本利益率)
株主が出した資本を用いて企業が株主のためにどれだけの利益をあげたかを測る指標です
この指標が高いほど有効に資本を使って利益を出しているということがいえるため、自分がその会社に投資することで利益が上がる期待値が高いといえます
目安としては10%以上なら株主資本の活用効率や収益性が高いとされます。
できるだけ自分の投資したお金を効率よく使って稼いでほしいよね!
ROA(Return On Asset、総資産利益率)
ROEと同様に会社の収益性を測る指標です。
ROEとなにが違うの?
分母のみROEと違っており、資産を効率よく活用して利益を出せているかを知ることができるのはROEと同じです
ROAの場合その資産が自分のものか他人のものか(負債)かは問いません
なのでただROAが高ければいいというものでもなく、多額の負債を使って利益を出している場合もこのROAは高くなります
ROAだけでなく会社の負債に関する指標を用いて、会社の安定性を見ることも必要です
ROAの目安としては5%を超えると高いと判断されますが、業界によって差があるので同業他社との比較をして、同業界の水準と比べて高いか低いかを確認する必要があります
キャッシュフロー
会社のお金の流れです。どんなお金が入ってきて、どんなことにお金を使っているかわかります。大きく3つのキャッシュフローに分けられます。
営業キャッシュフロー
会社が本業で稼いだお金です。他のキャッシュフローでもそうですが、数値がプラスなら会社にお金が入っている、マイナスならお金が会社から出て行っているということになります。
営業キャッシュフローがマイナスということは今後の会社の設備などへの投資なども借入金に頼らなければならず、会社としてはとても悪い状態といえます。
投資キャッシュフロー
固定資産の取得や売却、設備投資などに関するお金の流れを表します。
営業キャッシュフローとは違ってマイナスだとよくないというものではなく、マイナスでも積極的に会社の将来のための投資を行っているから、プラス評価の材料となる場合もあります。
稼いでるお金と将来の利益のための投資のバランスが大事ってことか!
財務キャッシュフロー
株式の発行による収入、配当金の支払いなど資金調達に関わるお金の流れです。
自己資本比率
自己資本(株主資本、純資産)が総資産(自己資本+他人資本)に対してどれくらいの割合を占めるかを示します。
この比率が高いほど、借金が少ないといえると思います。この数字は会社の安定性を知る一つの指標といえます。
もちろん、この数字だけで判断することはできませんが、40%が一つの基準として言われていることが多いように感じます。
また、銀行など人から集めたお金を使って仕事をするような会社は自己資本比率が低くなる傾向があるため、同業他社との比較を行うことも重要です。
利益剰余金
会社の利益を積み立てたお金を会社内部に蓄えているものです。赤字が続くとこの剰余金は減っていくことになります。
有利子負債
文字通り会社の借金です。短期借入金、長期借入金、社債などがこれに含まれます。
自己資本比率の説明と少しかぶりますが、借金が少なければ少ないほどいいとは一概には言い切れず、将来への投資のための借金の場合もあるので、会社に入ってくるお金とのバランスがとれているかどうかをチェックすることも大事だと思います。
まとめ
私自身、これらの財務関係の言葉や数字に関して、わかってない部分が多く、うすっぺらい説明になってしまいましたが、こんなイメージの数字ということをわかって、自分の会社の貸借対照表などを見てみると面白いと思います。
また、世間的には目立たないがしっかりした会社、有名でCMなどもよく見かけるが実は調子のよくない会社などもこれらの財務状況を見ることで早い時期に察知することができるかもしれません。
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