会社のお財布事情
四季報を見ると会社の業績などの情報がたくさんかいてあります。投資家の中には四季報を全ページ読破してしまう人もいるくらい、大事な情報が書いてあります。必ずしも全ての情報に目を通さないといけないわけではないと思いますが、それぞれの項目が何を表すか知っておいても損はないと思います。
関連記事:銘柄を選ぶとき見ておくべき7つの数字
売上高、利益
会社というのはモノやサービスを売って、利益を上げるのが目的だと思います。それがうまくいっているかどうか知るのに一番手っ取り早いのが、売り上げや利益を見ることだと思います。また、利益の中から配当が出るのでそのあたりも投資家としては気になるところです。
- 売上高・・・各決算期間の売上高
- 営業利益・・売上高から商品を仕入れるのにつかったお金や管理費などのコストを引いたもの 本業でどれだけ儲けたかを表す。
- 経常利益・・営業利益に本業以外の利益や損失を足したもの。他社の株を保有している場合の配当や為替変動による損益など
- 税前利益・・経常利益に特別利益、特別損失を足したもの。(特別利益、特別損:失資産の売却や工場の閉鎖などに伴う損益)
- 純利益・・・税前利益から税金を引いたもの。最終利益
- 1株益・・・純利益を発行済株式数で割ったもの
- 1株配・・・1株当たりの配当金
利益といってもいくつも種類があるんですね。基本的には売上高も利益も右肩上がりの方が会社の調子がいいといえます。また、1株配が前年と比べて増えそうなら、それ目当ての投資家が集まってくるかもしれません。
また、利益、配当の話が出たのでついでにこの言葉も紹介しておきます。
- 配当性向・・1株配÷1株当たりの当期純利益×100。会社が1年間で儲けたお金からどれだけ配当金として株主に還元しているかを表す。
この値は高い方が株主に利益を還元してくれていてうれしい気もしますが、配当性向が低い=悪い企業とは必ずしも言い切れません。会社の成長のための投資にお金を回したいのかもしれません。配当性向が高いかどうかだけでなく、無理をして配当を出していないかどうかをチェックすることも必要です。
ROE(Return On Equity、自己資本利益率)
株主が出した資本を用いて企業が株主のためにどれだけの利益をあげたかを測る指標といえます。計算式は下記の通りです。
ROE(%)=当期純利益÷株主資本×100=1株当たりの利益(EPS)÷1株当たりの株主資本(BPS)
目安としては10%以上なら株主資本の活用効率や収益性が高いとされます。
ROA(Return On Asset、総資産利益率)
ROAと同様に会社の収益性を測る指標です。
ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
分母のみROEと違っており、資産を効率よく活用して利益を出せているかを知ることができるのはROEと同じですが、ROAの場合その資産が自分のものか他人のものか(負債)かは問いません。ただ、高ければいいというものでもなく、多額の負債を使って利益を出している場合もこのROAは高くなります。会社の負債に関する指標を用いて、会社の安定性を見ることも必要です。
目安としては5%を超えると高いと判断されますが、同業他社との比較が必要です。
キャッシュフロー
会社のお金の流れです。どんなお金が入ってきて、どんなことにお金を使っているかわかります。大きく3つのキャッシュフローに分けられます。
営業キャッシュフロー
会社が本業で稼いだお金です。他のキャッシュフローでもそうですが、数値がプラスなら会社にお金が入っている、マイナスならお金が会社から出て行っているということになります。
営業キャッシュフローがマイナスということは今後の会社の設備などへの投資なども借入金に頼らなければならず、会社としてはとても悪い状態といえます。
投資キャッシュフロー
固定資産の取得や売却、設備投資などに関するお金の流れを表します。営業キャッシュフローとは違ってマイナスだとよくないというものではなく、マイナスでも積極的に会社の将来のための投資を行っているから、プラス評価の材料となる場合もあります。
財務キャッシュフロー
株式の発行による収入、配当金の支払いなど資金調達に関わるお金の流れです。
自己資本比率
自己資本(株主資本、純資産)が総資産(自己資本+他人資本)に対してどれくらいの割合を占めるかを示します。
この比率が高いほど、借金が少ないといえると思います。この数字は会社の安定性を知る一つの指標といえます。
もちろん、この数字だけで判断することはできませんが、40%が一つの基準として言われていることが多いように感じます。
また、銀行など人から集めたお金を使って仕事をするような会社は自己資本比率が低くなる傾向があるため、同業他社との比較を行うことも重要です。
利益剰余金
会社の利益を積み立てたお金を会社内部に蓄えているものです。赤字が続くとこの剰余金は減っていくことになります。
有利子負債
文字通り会社の借金です。短期借入金、長期借入金、社債などがこれに含まれます。
自己資本比率の説明と少しかぶりますが、借金が少なければ少ないほどいいとは一概には言い切れず、将来への投資のための借金の場合もあるので、会社に入ってくるお金とのバランスがとれているかどうかをチェックすることも大事だと思います。
まとめ
私自身、これらの財務関係の言葉や数字に関して、わかってない部分が多く、うすっぺらい説明になってしまいましたが、こんなイメージの数字ということをわかって、自分の会社の貸借対照表などを見てみると面白いと思います。
また、世間的には目立たないがしっかりした会社、有名でCMなどもよく見かけるが実は調子のよくない会社などもこれらの財務状況を見ることで早い時期に察知することができるかもしれません。
コメント