FXのチャート分析の基本的な考え方として、値動きが圧縮された後にブレイクした方向にトレンドが発生するというのがあります
三角保合いやボリンジャーバンドのスクイーズ→エクスパンジョンで判断するという方法がよく知られていますが、僕が最初に圧縮→ブレイクを意識し始めたのはボブボルマンさんのFXスキャルピングを読んでからでした
この記事では、FXスキャルピングに書いてあった手法と僕がその手法をどう解釈して使っているかを紹介していきます
この本では少し特殊なティックチャートを使っていたり、ごく短期にトレードを繰り返すスキャルピングの手法としての紹介をしていますが、プライスアクションに対する考え方はどのトレードにも通じるところがあるのでこれからチャート分析を勉強する人は株トレーダーもFXの長期トレーダーも読んでみてほしいです
- ボブ・ボルマンのプライアクションを使った分析
- 70ティックチャートのデメリットは、FX業者が限定されること
- ティックチャートと時間足の違い
- 7つのセットアップ
- 時間足チャートでもボブボルマンの手法は使えるか?
- ボブ・ボルマン氏とは?
- ボブボルマンのプライスアクションのよくある質問
- ボブ・ボルマン氏のプライスアクション手法は、FX以外(株式や先物など)でも活用できますか?
- 70ティックチャート以外(例:100ティック、50ティックなど)でこの手法を使うとどうなりますか?
- 本記事で紹介している7つのセットアップのうち、初心者に最も取り組みやすいものはどれですか?
- 時間足チャートに応用する際、注意すべき点は何ですか?
- この手法を使う際、損切りや利確の目安はどのように設定すればいいですか?
- どのような相場環境(レンジ、トレンド、ボラティリティ低下など)がこの手法と相性が良いですか?
- このプライスアクション手法の弱点やリスク要因は何ですか?
- 実践する際、最初に練習すべきチャートパターンやケーススタディはありますか?
- この手法で連敗が続いたとき、メンタルや資金管理でどう対処すべきですか?
- この手法を改良・応用して使っている人がやっているカスタマイズ例はありますか?
- ボブボルマンのプライスアクションのまとめ
ボブ・ボルマンのプライアクションを使った分析
FXスキャルピングで紹介している手法で使うインジケーターは指数移動平均線1つだけです
ただ、それ以上に特徴があるのがチャートです
最大の特徴 ティックチャート
ボブ・ボルマンさんの手法では一般的な一定時間がたつと完成するローソク足ではなくティック数で完成するローソク足を使います
ティック数とは取引きが成立した回数のことです
一般的なローソク足は5分足なら5分間の間の値動きを1本のローソク足で表します
一方ティックチャートでは設定したティック数分取引が成立するとローソク足1本が完成します
ボブ・ボルマンさんの手法では70ティックチャートを使うので70回取引きが成立すると1本ローソク足が完成します
取引が活発なら短時間で1本完成するし、取引が少なければなかなか1本完成しません
ティック70回分で1つのローソク足になるのでこの特徴を生かして、こんなふうに相場を読み取ることができます
- 70ティックのローソク足1本で60秒以上かかった場合、相場はかなり変化に乏しい
- 70ティックのローソク足1本で30秒以上かかった場合、スキャルピングしやすい地合い
- 70ティックのローソク足1本で20秒以上かかった場合、だいぶスキャルピングがイージー
70ティックチャートのデメリットは、FX業者が限定されること
70ティックチャートを使うには1つ大きな問題点があります
FX業者が限られていることです
僕はOANDA+MT4で使ったことしかありませんが、自分が使っている業者が対応していないか、各ツールの使いやすさ、スプレッドなどを比較して選んでみるといいと思います
ボブ・ボルマン氏が利用している70ティックチャート「ProRealTime」(有料)
英語表記で日本語対応はありません
月額45.19ドルで使えます
IG証券(有料)
日本語版の「IT-Finance」のチャート(ProRealTimeと同じもの)を使えます
70ティックチャートの取り扱いがある国内FX業者の独自チャート
マネックス証券(無料)
インヴァスト証券(無料)
マネーパートナーズ証券(無料)
セントラル短資(有料)
70ティックチャートをMT4で利用できるFX業者
OANDA
JFX
ティックチャートと時間足の違い
時間足では、ただ取引が少なくレートが動かないときでも、取引が活発だけど買いと売りが拮抗していてレートが動かないときも同じようなチャートを描きます
一方でティックチャートの場合、取引が少なくレートが動かないときはローソク足が完成しないので同じレートにとどまるローソク足の本数は少なくなります
また、取引が活発なのに買いと売りが拮抗しているときは、ローソク足の本数がどんどん増えていきます
こういう違いを表現してくれるのがティックチャートのいいところです
7つのセットアップ
エントリータイミングとして以下の7つのセットアップと呼ばれるプライスアクションのパターンを上げています
ダブル同時線ブレイク
ファーストブレイク
セカンドブレイク
ブロックブレイク
レンジブレイク
インサイドレンジブレイク
アドバンストレンジブレイク
これらのセットアップの多くに共通しているのが圧縮→ブレイクのプライスアクションです
ダブル同時線ブレイクでは売り買いが拮抗してレートが動かないときにあらわれる同時線が2つ現れた後にブレイクした方向にのっかるという方法をとります
またレンジブレイク、ブロックブレイクでは抵抗線にむかって移動平均線が推移していき、その間に挟まれたローソク足がどんどん値幅が小さくなっていきます
最終的に抵抗線をブレイクしたらその方向にのっかります
これらの手法から僕はFXチャートの特徴の圧縮→ブレイクの形を学びました
時間足チャートでもボブボルマンの手法は使えるか?
ボブ・ボルマンさんの手法はティックチャートを使っていますが僕は普段時間足のチャートを使っています
なので、同時線とかプライスアクションの意味はティックチャートと完全に一緒ではありません
ですが、基本的な考え方は変わりません
上昇トレンドの途中でしばらくレートが停滞するときがあります
小さいレンジ相場みたいになります
このレンジの幅が少しずつ小さくなり、上方向にブレイクするということがよくあります
チャートパターンは違っても基本的な考え方は同じなので参考になると思います
チャート分析だけでなく資金管理の考え方とかも書いてあるので、もっと詳しくセットアップの分析を知りたい人、これからトレードを始める人にはぜひ読んでほしいです
ボブ・ボルマン氏とは?
ボブ・ボルマン氏は1961年生まれで、自己資金のみでトレードを行う独立系のトレーダーです
ボルマン氏は、この記事で紹介した『FXスキャルピング ―ティックチャートを駆使したプライスアクショントレード入門』(2012)ともう1冊(僕は読んだことありません)『FX 5分足スキャルピング ―プライスアクションの基本と原則』(2015)の2冊の書籍を出版しています
ボルマン氏のプロフィールや資産は非公開ですが、インターネット上ではそのトレードの手法が高評価を得ており、世界中で安定的な人気を誇っていることが分かります
インターネット上には、ボルマン氏のスキャルピングの手法では勝てない、という否定的な意見もありますが、FXのおすすめ本として色んなサイトで紹介されており、トレード技術の独創性や実用性も含めて、ボブ・ボルマン理論は世界中のトレーダーたちに多大な影響を与えているといえるでしょう
ボブボルマンのプライスアクションのよくある質問
ボブ・ボルマン氏のプライスアクション手法は、FX以外(株式や先物など)でも活用できますか?
ボブ・ボルマン氏の手法は「ティックチャート上の価格の動き」を基盤としているため、流動性の高い市場であればFX以外でも応用可能です。株式や先物でも取引量が多い銘柄であれば同様のパターンが現れやすく、基本的なエントリー・エグジットの考え方は共通して活用できます。
70ティックチャート以外(例:100ティック、50ティックなど)でこの手法を使うとどうなりますか?
ティック数を変えるとチャートの滑らかさやノイズ量が変化します。たとえば、100ティックではトレンドが明確になりやすく、50ティックでは細かい反転シグナルが増えます。最適な設定は通貨ペアや時間帯によって異なるため、複数のティック数を試して比較検証するのが効果的です。
本記事で紹介している7つのセットアップのうち、初心者に最も取り組みやすいものはどれですか?
初心者におすすめなのは「レンジブレイクセットアップ」です。シンプルに高値・安値の抜けを狙う手法で、判断基準が明確なため感情に左右されにくく、プライスアクションの基礎を学ぶ練習にもなります。
時間足チャートに応用する際、注意すべき点は何ですか?
ティックチャートと違い、時間足チャートでは取引量やボラティリティが時間帯によって変わるため、パターンの精度が下がる場合があります。短期的な値動きを把握したい場合は、5分足や1分足などの短期チャートで補完的に確認すると良いでしょう。
この手法を使う際、損切りや利確の目安はどのように設定すればいいですか?
損切りは直近のスイング高値・安値を基準に設定するのが基本です。利確はリスクリワード比1:2を目安に設定し、ボルマン氏自身も「勝率よりも損益比を重視」しています。明確なルールを守ることで感情的な判断を避けることができます。
どのような相場環境(レンジ、トレンド、ボラティリティ低下など)がこの手法と相性が良いですか?
最も相性が良いのは「明確なトレンドが発生している相場」です。特にロンドン時間やニューヨーク時間のように出来高が多い時間帯では、プライスアクションの反応がより明瞭に現れます。逆に、ボラティリティが低下しているレンジ相場ではダマシが増える傾向があります。
このプライスアクション手法の弱点やリスク要因は何ですか?
弱点は「相場のノイズに影響されやすい点」です。特に経済指標発表時や流動性が低い時間帯では誤認シグナルが出やすくなります。これを避けるために、取引時間の選定と指標カレンダーの確認を習慣化することが大切です。
実践する際、最初に練習すべきチャートパターンやケーススタディはありますか?
まずは「ブレイク後の押し目・戻り目エントリー」から練習するのがおすすめです。過去チャートを使って「どこでブレイクし、どの位置で再度反発したか」を繰り返し確認することで、チャートリーディングの精度が上がります。
この手法で連敗が続いたとき、メンタルや資金管理でどう対処すべきですか?
連敗が続くときは、まずロットを下げて検証に戻ることが重要です。無理に取り返そうとせず、トレード日誌を確認してパターン認識のズレを修正します。また、1日の損失上限を決めておくことで、心理的ダメージを抑えられます。
この手法を改良・応用して使っている人がやっているカスタマイズ例はありますか?
多くのトレーダーはボルマンの基本パターンに「移動平均線」「出来高」「VWAP」などの補助指標を組み合わせて精度を高めています。特にボラティリティフィルターを加えることで、ダマシを減らしトレードの質を安定させることが可能です。
ボブボルマンのプライスアクションのまとめ
ボブ・ボルマン氏のプライスアクション手法は、チャートの「価格の動き」そのものを読み解くことでトレード判断を行う、極めて実践的なアプローチです。
インジケーターに頼らず、ローソク足の形や動き方から市場心理を捉えるため、相場の本質的な理解を深められるのが特徴です。
また、ボルマン氏が提唱するセットアップはシンプルながらも再現性が高く、特に70ティックチャートを中心に展開される戦略は、多くのプロトレーダーからも支持を集めています。
相場環境に応じて適切なセットアップを選び、明確な損切り・利確ルールを守ることで、安定したトレード成果を狙うことが可能です。
この記事では、ボルマン手法の基本から応用、注意点、練習方法まで幅広く解説しています。
これからプライスアクションを学びたい方や、裁量トレードの精度を高めたい方にとって、実践の指針となる内容です。
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