FXの両建ては外し方を上手くやれば負けない手法です。
為替の値動きを予測するのは難しいです。
いつも思い通りの値動きになるとは限りません。
それでもちょっとでも予想が的中する確率があがるようにみんないろんな工夫をするわけですが、それが必要なくなるとしたら、最高じゃないですか?
両建てを駆使して負けないトレードをする方法を考えてみましょう
FXの両建ては絶対負けない手法?
またユロルの値動きの予想が外れた!
FXの両建てはトレードでは当たり前と思われている売りか買いかの二択を不要にします。
レートが上にいくのか下にいくのかを予想してそれが当たれば利益を得るしはずせば損するのが普通です。
何かしらの予想をしなければならないわけですが、これが難しい!
どんなに市場の情報を集めたり、綿密なテクニカル分析をしたとしても指標発表などの突然の出来事で、これまでの見通しとは全く違う値動きになる場合、そしてそれで大敗してしまった人はたくさんいるんじゃないでしょうか
ですが、両建なら上がり下がりを予想しなくてもいいのです
ロングとショート(買いと売り)の建玉の数量が同じ状態を両建といって、この両建の状態ならレートがあがっても下がっても、一方のポジションのマイナスをもう一方のプラスが相殺してくれるからです
両建状態からロングかショートのどちらか一方を決済する両建の外し方を間違えなければ、精神的に楽に稼ぐことができるはずです
この記事では両建で負けない方法を解説していきます
関連記事:両建て+スワップポイントが相殺されないみたいな特徴のある都合のいい通貨ペアがある?
FXの両建てのやり方は簡単 これで負けない
FXの両建の状態にするためのやり方は簡単です
ロングとショートを同じ量のポジションを持てばその瞬間から両建の状態です
同時にロングとショートの注文を出すのもいいし、ロングかショート片方持っている状態から、後から追加で反対のポジションをもつということもできます
なんか簡単そう!
FXの両建のメリット
FXの両建ての大きいメリットは次の2つです
- 上下どちらに動くか予想しなくていい
- 損失、利益を固定できる
1個ずつ解説していきます
値動き予想いらいないって最強過ぎない?
両建は上下どちらに動くか予想しなくていい
レンジ相場で値動きが小さくて次どちらに動くかわからないっていうときありますよね
こんな相場でも上か下かと予想して、ちょっと逆行したら損切り、とやっていたら損切り貧乏になってしまいます
そんな時は損切りする代わりに両建してみましょう
例えばショートで入ったけど少し上に動いて、含み損になってしまったとします
普通なら損切りするところですが、いったんロングも同じ量だけしてみましょう
そしてレンジの上端付近でロングは手放します
これで両建てを初めてから今までのショートの損は両建てしたロングが相殺してくれました
少し有利なレートでショートしたのと同じことになります
レンジ下端に向けて動き出したらこっちのものですね
両建てで今までより稼げるチャンスが増えそう!
レンジの中央で両建するのもあり
さっきは先にショートだけしてる状態からの両建てでしたが、一気にロングとショートをするのもありです
レンジの真ん中あたりのレートで次どっちにいくのか微妙な時
ロングとショートを同時にすればどちらにいっても利確ができます
このあと、反対方向に動き出して利益が出たところで決済すれば、効率よくレンジ相場でも稼ぐことができます
両建は損失、利益を固定できるので負けない
損失/利益を固定ってどういうこと?
ポジションを持ったままポジションを決済したのと同じように損益を確定させられるよ
損切り/利確がなかなかできない人におすすめ
例えば、ロングでエントリーしたけど予想どおりレートが上がらず、そろそろ損切りか?というとき
ここで、ショートのポジションも同じ数量持てば、お互いのポジションが損益を相殺するので損失がショートする前までの金額に固定されます
図であらわすとこんなかんじ
これは、ショートのあとレートがあがっても下がっても同じです
実は、両建てでショートしたレートでロングポジションを損切りして、後からロングしなおすのと同じなのですが、なんとなく損切りが苦手な人にとっては、両建ては損切りの代わりにもなるのです
つなぎ売買をすることができる
両建をすれば、長期的には買い・短期的には売りというつなぎ売買をすることが可能です
つなぎ売買って?
持っているポジションが損する方向に値動きするときに反対方向の売買をすることだよ
相場一直線に上がったり下がったりすることはなく、上下に価格が波打ちながら動いていくので、長期的には上昇トレンドだとしても、短期的には押し目をつけることもあります
そのため長期的には上昇トレンドとみてロングポジションを持っているとき、普通なら上昇トレンドが終わるまで待っているだけですが、両建をすれば、短期的な押し目のときにショートして、その分の利益を上乗せすることが可能になります
スワップポイントのサヤ取りができる
ポジションを保有しているだけで損益に影響するスワップポイントは、各業者によって若干の違いがあります
この価格差を利用して、異なる業者間で両建てして利益を出すことをスワップポイントのサヤ取りと言います。
スワップポイントってショートとロングで±0かマイナスじゃなかったっけ?
証券会社ごとにスワップポイントは違うので、証券買会社Aでロング、証券会社Bでショートとしればプラスにできる場合があるよ
両建てにより建玉は実質ゼロになるので、価格がどれだけ動こうと、評価損益はゼロです
一方、受け取りと支払いのスワップポイントに差があり、受け取りの方が多くなれば、差分だけ利益が出ます
スワップポイントの変動で利益が出なくなる場合や、価格の急変動によりロングかショートどちらか一方のポジションがロスカットされてしまうリスクが存在するので、完全放置というわけにはいかず、証拠金維持率のバランスをとるために、各口座間で資金を移動するメンテナンスが必要になりますが、レートの上下を予測せずに利益が出せるメリットがあります
心理的負担を減らすことができる
FXでトレーダーを悩ませる心理を表すプロスペクト理論というものがあります
プロスペクト理論によると人は、一度手に入れた利益は早く確定しようとリスクを嫌うのに対して、一度被った損失に対しては事実を受け入れられずリスクを取り、損失が大きくなればなるほどリスクに鈍感になります
含み損をほっとくとだんだんどうでもよくなってくることあるかも
投資の世界の鉄則としてよく言われる損小利大はこのプロスペクト理論に反するため、頭では損小利大が重要とわかっていても本能的にプロスペクト理論で表される行動をとってしまい資産を減らしてしまいます
このプロスペクト理論を克服することは、勝ち組トレーダーになるために必須ですが、多くの経験が必要です
しかし、両建てをすることによって、このプロスペクト理論を簡単に克服することができます
例えば、一定期間両建てしていれば、どちらかのポジションに一定の利益が出ます(もう一方は同じだけ損失)
通常のロングかショートどちらか一方のみ持っているトレードでは、利益は早く確定したい心理が働いてしまいますが、利確も損切りもポジションを決済するのはそのポジションを持った理由がなくなったときです
なのでトレンドに乗ろうと思って持ったポジションならトレンドが終わったと判断したときに決済するのが正しいのです
両建している場合、トレンドが発生して一方のポジションに含み益が出てもトータルは±0なのでプロスペクト理論で表される心理モデルのような早すぎる利確を避けることができます
このように両建てで自分の感情をごまかしながらトレードをすることで、頭で考えたことを自分の心理に振り回されずに実行できるという不思議なメリットが両建てにはあります
FXの両建て取引のコツ
FXの両建てで負けないために心がけるべきコツを解説していきます。
スプレッドが狭いプラットフォームを選ぶ
FXの両建てを負けないようにまず重要なのは、手数料が低いプラットフォームを選ぶことが重要です。
両建ての弱点として両方向の売買を繰り返すのでスプレッドなどの取引き手数料がかさみがちということがあります
スプレッドの広さはトレーダーの努力ではどうにもできないので、極力スプレッドの狭いプラットフォーム、FX業者を選ぶようにしましょう。
レンジ相場だけ両建てする
FXの両建ては相場の方向性がはっきりとしないレンジ相場限定で使いましょう。
トレンド相場で両建てをしてしまうと、両建ての片方だけ利益が伸びて片方は大きな含み損をかかえて、トレンドで大きく利益を伸ばす機会を失ってしまうことになります。
レンジ相場でロングとショート両方を取引して少しずつ利益を積み重ねていくトレードが両建ての理想です。
FXの両建てのもう1つの使い方
ここまで利益を出すための方法としての両建を解説してきました
ですが、両建にはもう1つ使い方があります
それは年を越す時に含み益を決済したくないときです
決済すると利益が出てしまって税金がかかってしまいます
ですが、年を超えると急激な値動きをすることはよくあることなので持ち越しのリスクも高いです
そういう時に両建をするというやり方があります
含み益が出ているのと逆のポジションを持つことで決済したのと同じ状態になりつつ、為替変動によって含み益が消えることを防ぐことができます
何年か前に年始にフラッシュクラッシュって呼ばれる暴落あったよね
FXの両建てで負けないために大事なのは外し方
両建てしたはいいけどこの後どうしよう
FXの両建てで負けないために難しいのが、両建の外し方、タイミングです
外すとはロングとショート両方を持っている両建ての状態からどちらか片方の状態になることです
両建を維持する期間というのはトレンドが発生している状態です
片方のポジションは利益が増えて、片方は含み損が増えている状態です
利益が出ている方を先に決済するのですが、早すぎると含み損側の損がその後も膨らんでしまってトータルマイナスになってしまいます
両建を上手になるならトレンドの終わりを見極められるようになる必要があります
トレンドのスタートは最初から両建しておけば、いつ始まろうが関係ないのでトレンドの終わりだけに注目すればいいです
FXの両建の負けない外し方 トレンドの終わりを知る指標①移動平均線
移動平均線は最もよく使われるトレンド系のインジケーターです
いろんな使い方がありますが、短期、中期、長期移動平均線が順番にならんだパーフェクトオーダーの状態がくずれたらいったんトレンドが終わったと考えていいと思います
移動平均線って何?
多くの投資家が使っている超便利なインジケーターだよ
↓の記事で勉強してみよう!
FXの両建の負けない外し方 トレンドの終わりを知る指標 ➁水平線
移動平均線の場合、移動平均線の状態を見ることで”今”トレンド中なのか、トレンドが終わったのかを知ることができます
水平線の場合は事前にトレンドが終わりそうな場所がわかります
水平線は、直近で値動きが何度か反転しているレートを水平に結んで引きます
簡単に聞こえますが、結構効きます
簡単な指標ほどみんなが意識するので、そして、みんなが意識するほどトレードにも反映されやすく結果として値動きがその指標に従うようになります
ただ横棒を引くだけで分析ができるんだ!
FXの両建すると証券会社からは警告される
マネックス証券のFX PLUSのアプリでは現在持っているポジションと反対の売買の指値注文とかをおいとこうとすると、こんな警告文が出ます
といっても、よくみたら両建てはよくないよーという内容ではないですね
最初にでてきたときはなんかだめな注文のしかたをしちゃったのかなと思って注文をキャンセルしちゃったのですが、、
サイトにはこんな風にかかれてます
・スプレッド(Bid[売値]とAsk[買値]の差)によるコストが2倍かかること
・スワップポイントは売建玉と買建玉に適用する価格に差があり、この差分が逆ざやとなりお客様のコストとなること
マネックスFX HPから引用
つまり、手数料が2倍かかったり、スワップポイントの差で損しますよーということが書かれています
スワップポイントについては証券会社によると思いますが、僕のつかってる証券会社だとこんな感じです
FX PLUS (マネックス証券)
SBI FX
ほとんど変わらない通貨ペアもありますが、基本売りスワップのマイナスの方が大きくて、両建てでポジションを持ち続けるだけで損してしまいます(一部の証券会社では+にできる通貨ペアもあります)
両建の経済合理性
両建てという単語といっしょによく聞かれる言葉に経済合理性というものがあります
weblioさんによるとこんな意味
投資したお金に対して利益があると考えられる状態のこと。事業を始める上での判断材料の1つ。
企業にとって、経済合理性は経済的な価値基準であり、最小の投資で最大の成果を上げられるような戦略を立てる。これは、「投資<利益」、「投資<成果」を表しており、一般的には投資を下回るような利益・成果の発生する事業は避ける傾向にある。
その理由はさきほどあげた、スプレッド分のコストが2倍、スワップポイントで損するからです
両建に関するルール
両建て取引をする際の必要証拠金の計算の仕方にはいくつか方式があります
自分の証券会社が自分がやりたいことにあっているか確認しておくとよいでしょう
大きな違いは両建てMAX方式かそうでないかです
簡単にいうと、売りと買いのうち建玉が多い方のlot数に対応した証拠金が必要になる方式です
全てのパターンを網羅しようとするとなかなか大変ですので、詳しくはリンク先をごらんください
ほとんどの証券会社がこの方式になっていますが、一部の証券会社では売りと買い両方のポジションに対して証拠金が必要なところがあるようです
FXの両建て手法の3つのデメリット
両建ては稼げず意味がないどころか、むしろデメリットの方が大きいという意見もネットではちらほら見られます
こういった記事で見られる両建てに意味がない理由は以下の3つです
このようなデメリットがあることも念頭に置きながら両建て手法を使っていく必要があります
両建てはポジションなしと同義
両建てに意味がないといわれる1つ目の理由は、「両建てはポジション(建玉)なしと同義」だからです
例えば、99円で買い建玉と売り建玉の両建てをしたとしましょう
ここでレートが101円になったので、含み益が出ている買い建玉を利益確定(+2円)しました
しかし、売り建玉の含み損は-2円なので、評価損益は結局ゼロのままです。
そして、この時点で売り建玉のみが残っているので、今後利益が出るかどうかは両建ての買い建玉を外した時点から、相場が下がるかどうかにかかっています
つまり、相場が下がれば売り建玉の含み損が減って利益が残りますが、逆に相場が上がれば含み損が増えてトータルで損の方が多くなります
両建ての片方を外すタイミングは、それはすなわち新規で建玉を作っているのと同じということです
上記の例で説明すると、買いの建玉を外して売り建玉だけになった時、相場の下落を予想して売りを仕掛けているのと全く同じなのです
単純に損益だけで考えると両建ては損切りを先延ばしにしているだけとも言えます
スプレッド分だけ損をする
2つ目のデメリットは、両建て手法はスプレッド分だけ損をすることです
理由1で、両建ては実質的に建玉ゼロと同じであることを説明しました
ただ、買いと売りを同時に持った時点で、1つの建玉だけでトレードする時と比べて、スプレッドコストが2倍発生していることになります
両建てでどちらかの建玉を外す場合も、最初から1つの建玉だけでトレードする場合も、価格変動に対する損益は同じになります
それにもかかわらず、コストが2倍になっているわけですから、建玉ゼロよりも経費が増えてその分損をするというわけです。
ロスカットが執行されやすくなる
両建てをするとロスカットされやすくなります
その理由は売りと買いのポジションで二重の証拠金が必要だからです
例えば、1ドル=135円の時に、証拠金20万円で1万ドルを買った場合、証拠金維持率は20万円÷(135円×1万ドル÷25倍)×100=370%です
1万米ドルの売りポジションを建てて両建てすると、証拠金維持率は20万円÷(135円×2万ドル÷25倍)×100=185%に半減します
両建てをすることで業者ごとに定められたロスカット水準に証拠金維持率が近づくので両建てはロスカットされやすくなるデメリットがあるということです
じゃあ同じ資金でも両建てだと実質取引できる量が減るってこと?
証券会社の方式によって変わってくるのでまずは調べてみよう
FX会社の証拠金計算方式に注意
両建てするとロスカットしやすくなるかどうかは実はFX会社の証拠金計算の方式によって決まります
先程の計算のようにロング分とショート分の取引量を足し合わせて証拠金計算に使う場合は、両建てするとロスカットに近づくといえます
一方でMAX方式と呼ばれる多くのFX会社が取り入れている方式では、ロングかショートどちらか一方の取引量が多い方を証拠金計算に使うので、両建てしたからといってロスカットに近づくということはありません
FXの複数口座での両建ては禁止!
FXの両建ては複数口座で行うことを禁止しているFX業者が多いです。
一見NG行為と気づきにくいですが、禁止事項としてFX業者のホームページにも明記されています。
以下のようなシステムの悪用ができてしまうからです。
複数口座での両建てが発覚すれば、口座凍結や利益の没収につながるようなので、絶対にしないようにしましょう
口座凍結されるとどうなるの?
資金が動かせなくなるよ
解除には手続きが必要
めんどくさそうだから気をつけないと!
FX 両建てのよくある質問
- QFXの両建ては禁止されていますか?
- A
取引コストの二重負担や、スワップポイントがマイナスになる可能性など、経済的合理性を欠くおそれがあることから、金融商品取引業者が両建てを勧誘することは禁止されています。
一方で、取引状況によっては一定の経済的合理性を有することから、投資家の意思に基づく両建て取引は禁止されていません。
- QFXの両建ては初心者におすすめですか?
- A
FXの両建ては損切りがどうしてもできない初心者の方にはおすすめです。
その場合もリスク管理はしっかり行う意識をもちましょう。
まとめ
両建のメリット、デメリットがわかってもらえたと思います
メリット
- レンジ相場で右往左往しなくなる
- 損切りのかわりになる
デメリット
- スプレッドのコスト2倍
- マイナススワップ
両建のメリットとデメリットを理解して賢く使っていきましょう!
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