含み損増えてきたなー
はやく損切りしないといけないのでは?
これはまだ上昇トレンドの押し目だから大丈夫ですよ
大丈夫かな。。。
人は危機に直面すると、なにも危険はないと思いこもうとする傾向があります
この傾向を正常性バイアスとよびます
危機的状況に陥ったとき、あなたはどう行動するでしょうか
慌てふためいて逃げまどうでしょうか
それが当たり前だと思うかもしれませんが、実際にはそうではない人も多くいるようです
例えばトルネードが近づいているときでさえ避難しない人がいるらしいです
普通に考えるとおかしな行動のように思えますが、その原因は人間の心理的傾向によるもので、誰にでも備わっています
正常性バイアスって何なのか、トレードにはどんなふうに影響するのか書いていきます
正常性バイアスって何?
冒頭に書いたように、人は自分が危険な状況に置かれるとその状況は危険な状態ではなく、いたって正常だと思い込もうとする傾向があります
この心理的な癖を正常性バイアスと呼びます
このバイアスによる行動は人間の心が不安を寄せつけないために起こります
今の状況はいたって正常だと思い込み、平常時と同じ行動をとることによって自分の心が不安にさらされることを避けているのです
危険が迫ってきたらすぐ逃げるのが普通じゃない?
FXだって本当にやばくなったらすぐ損切りしますよ
実際にはそうではない人もたくさんいるんです
トルネードが来ても避難しない人たち
正常性バイアスによって危機的状況でも普段と同じ行動をとってしまう例を1つ紹介します
傍から見ているとなんで避難しなかったのか疑問に思ってしまいますが、実際にその立場におかれないとどんな気持ちになるかはわかりません
避難しない理由
危機的状況に追い込まれたとき、人はいくつもの段階を踏んでやっと避難行動をとります
すぐに逃げ出せばいいのにと思いますが正常性バイアスが働くとどうしようもないのかもしれません
特に①のステップが厄介です
地震に例えてみます
今まで震度4の地震しか経験がない人が震度7の地震を経験したとします
この地震のやばさを体感で測るとき、基準は昔体験した震度4の地震です
アンカリング効果でどうしても基準に自分の判断が引っ張られてしまうので今起きている震度7の地震への評価は過小評価になってしまいます
その結果、自分の心の平穏を保つために自分に”大丈夫、問題ない”と言い聞かせます
そして次の行動が遅くなってしまい、最悪の場合逃げ遅れて命を落とすということにつながります
正常性バイアスのせいで逃げ遅れないために
トルネードの例では避難した人も当然いて、そういう人たちは助かっています
避難する人としない人の差はなんなんでしょうか
1つは事前に準備していることです
竜巻が来ていない本当に正常な状態のときに、こうなったら避難するということを決めておくのです
そうすればいざ避難するときに何も考えず、事前に決めておいた避難行動に従うだけでいいのです
事前の計画はできるだけ具体的なほど良いと思います
正常性バイアスが立ち入る隙間をなくすためです
あいまいな行動予定は正常性バイアスによる避難しないための言い訳に負けてしまうかもしれません
トレードで相場の逆行から逃げ遅れないために
FXのトレードで大損しないための損切りの逆指値をエントリー注文と同時に出しておくという作戦があります
スキャルピングなどずっと画面にはりついてトレードする手法の場合は必要な時が来たら自分で損切り注文を出せばいいと思ってしまいますが、正常性バイアスのことを考えると事前に逆指値をいれておくのがよさそうです
エントリーから10pips逆行したら損切りするというプランでトレードを始めたとしましょう
いざ損切りラインまで含み損が達したとき、正常性バイアスが顔をのぞかせます
損切りラインまで到達してしまった。。。
まだまだ大丈夫。
この前はこれくらいの逆行から予想の方向に動いたよ
確かに!ここはホールドだ!
これでうまくいくときもありますが、こんなふうに自分の心理に支配されたトレードでは安定して利益をFXで伸ばしていくことは難しいでしょう
相場の勢いなどを見ながらその場その場の状況に合わせてトレードするやり方を否定するつもりはないですが、初心者のうちは含み損を抱えた状態で冷静な判断をするのは難しいです
事前に避難計画=損切り逆指値を設定しておくのがよいと思います
コメント