銘柄の評価
株を買うとき、当然、なんでもかんでも買える株を買うわけではありません。いろいろな指標やその会社に関するニュースを見て、その銘柄が今後伸びていきそうか、割安か割高かといったことを判断して売買を行います。
今回は証券会社のサイトなどで銘柄情報のページによく出てくる情報について書いてみます。
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単元株数
単元株数とは、株式市場において株式を取引する際の基本単位を示すものです。これは企業が設定する1つの株式の最小単位であり、投資家が株式を購入する際に必要な最小単位を指します。通常、企業は株式を1株単位で販売することが多いため、単元株数はその単位を示す重要な概念となります。
例えば、ある企業の単元株数が100株の場合、投資家は100株単位で株式を購入する必要があります。したがって、10株や50株といった単位では購入することができません。単元株数は投資家が企業の株式を購入する際の最小限の単位を示すため、株式市場における取引の基準となっています。
投資初心者が単元株数を理解することは重要です。
なぜなら、株式投資においては単元株数に従わなければ取引が成立しない場合が多く、また一部の投資家にとっては大きな金額の投資を要求することもあるからです。
例えば株価が6万円で、”あ、買える”と思っても、単元株数が100株だと600万円の資金がないと株を買うことができません
したがって、投資家は自身の予算や投資戦略に基づいて単元株数を考慮し、適切な投資判断を行う必要があります。
一部の企業は単元株数を変更することもあります。株式分割や逆分割などの企業の戦略によって単元株数が変動することがあります。このような変更は株主や投資家に影響を与えることがありますので、投資家は企業の政策変更や動向に注意を払う必要があります。
出来高
株の売買が成立した株数のことです。
株式投資において、出来高は特定の期間内に取引された株式の総量を示す重要な指標です。出来高は一般に1日、1週間、または他の期間で計測され、取引所や証券取引所が提供するデータとして利用可能です。この指標は株式市場の活気や動向を把握する上で重要な役割を果たします。
出来高の変動は、市場参加者の売買意欲や株式の需要・供給バランスの変化を示す重要な要素です。高い出来高は多くの投資家が取引に参加し、市場が活発であることを示唆します。これは、市場の関心や信頼が高いことを示すこともありますが、一方で不安定性や価格変動の増加をもたらす可能性もあります。
低い出来高は市場の停滞や投資家の関心の低下を示すことがあります。このような状況では、株式の価格変動は比較的緩やかであり、市場の不確実性が低いことを示すこともありますが、同時に投資機会が限られている可能性もあります。
投資家は出来高を他の指標と組み合わせて分析し、市場のトレンドや株価の動向を評価します。特定の株式の出来高が急増すると、その株式に対する市場の関心が高まっていることを示すことがあります。同様に、出来高の低下は、市場参加者が慎重になり、市場の安定性が増すことを示すことがあります。
出来高はさらにテクニカル分析においても重要な役割を果たします。出来高の変化パターンは価格変動と関連しており、相場の転換点やトレンドの強さを示す重要な指標として利用されます。特定の株式の出来高が急激に増加すると、価格変動が加速する可能性があります。逆に、出来高が低下すると、価格変動が緩やかになることが予想されます。
総じて言えることは、出来高は株式市場で投資家にとって重要な指標であり、市場の活気やトレンドを理解するための重要な要素であるということです。投資家は出来高を継続的にモニタリングし、市場の動向を正確に把握することで、効果的な投資戦略を構築することができます。
VWAP(Volume Weighted Average Price、 売買高加重平均価格)
当日の取引が成立した価格に、出来高で重みづけをし、平均をとったものです。
簡単な例でいうと、100円で100株の出来高、200円で200株の出来高があったとすると、VWAPは(100×100+200×400)/500=180円です。
VWAPは取引された株式の数量に基づいて計算される平均価格であり、取引量の重み付け平均です。VWAPは、特定の期間における取引全体の価格動向を示すため、主に大口取引や資金運用者によって注目されます。
VWAPは一般的に、1日の取引セッションの開始から終了までの時間枠内で計算されます。この指標は、個々の取引の価格だけでなく、取引量も考慮するため、市場全体のトレンドを示す傾向があります。VWAPは、特に大口の注文を実行する際に、適切な価格で注文を実行するための基準として使用されます。
VWAPは、取引価格がその値を上回るか下回るかを判断する際の基準として使用されることがあります。また、取引戦略やアルゴリズム取引においても、VWAPは価格の決定や取引戦略の実行に役立つ重要な指標です。
VWAPは以下の式で計算されます
VWAP=∑(Pt×Vt)/∑Vt)
ここで、Ptは各取引の価格、Vt は各取引の数量を表します。VWAPを計算する際には、各取引の価格と数量を掛け合わせて合計し、その総和を取引数量の総和で割ります。
VWAPは市場参加者にとって、特に大口取引や長期の投資戦略を立てる際に有用な指標となります。市場のトレンドや価格の方向性を把握し、効果的な取引決定を支援するために、VWAPの理解は重要です。しかし、その一方で、VWAPは市場の特定の時間枠に依存するため、過去のデータを用いて過去のトレンドを分析する際には注意が必要です。
PER(Price Earning Ratio、株価収益率)
株価が割安かどうかを判断する指標です。計算式は下の通り
PER=株価/1株あたりの利益(EPS)
(EPS=1年間の純利益/発行済株式数)
一般的にはこの値が15以下ならその銘柄は割安であるといわれていますが、業界によって大きく違っているため、同業他社や過去のその銘柄のPERと比較することで、現在の株価が割安か割高かを判断します。
PBR(Price Book-value Ratio、株価純資産倍率)
この指標も株価が割安かどうかを判断する指標で、PERと組み合わせて使われたりします。
PBR=株価/1株当たりの純資産(BPS)
で表され、1.5倍未満なら割安であるといえます。
信用残
しんようざんと読むらしいです。信用取引残高の略だそうですが、信用残と書いてあるところしかみたことないです。
信用取引(証券会社から資金や株券を借りて売買する取引)の残高ということですが、なぜこれがわざわざ書かれているのでしょうか。
信用取引残高は市場の投資家の売買意向や信用貸しの動向を示す重要な指標です。高い信用取引残高は、投資家が市場の上昇を見込んで積極的に資金を借り入れて取引を行っていることを示すことがあります。逆に、低い信用取引残高は、投資家が慎重になり、市場の不確実性やリスクに対して警戒心を強めている可能性があります。
また、信用取引残高は市場の過熱感やバブル傾向の有無を示す指標としても利用されます。市場の上昇が急激に進んでいる場合、投資家が多額の資金を借り入れて取引を行うことが増えるため、信用取引残高が急激に増加することがあります。このような場合、市場が過熱しており、バブル形成のリスクが高まっている可能性があります。逆に、信用取引残高が急速に減少する場合は、市場の冷え込みや慎重な投資姿勢が反映されている可能性があります。
投資家は信用取引残高を市場の一指標として活用する際には、他の指標やデータとの総合的な分析が必要です。信用取引残高だけでは市場の状況を正確に把握することは難しいため、株価指標や企業業績などのデータと照らし合わせて市場の動向を把握することが重要です。
最後に、投資家は常にリスク管理を意識し、市場の変動に柔軟に対応することが重要です。信用取引残高の動向を把握し、それを適切に分析することで、リスクを最小限に抑えながら効果的な投資戦略を構築することが可能となります。
日証金残
日証金とは証券金融で最も大きい会社です。
日証金残は証券会社と日証金の間での株の貸し借りを表します。
日証金残の表の中の”貸株”は日証金が証券会社に株を貸している量を表し、”融資”の欄は証券会社が日証金へ融資している量を指します。
貸株が多いということは、証券会社が株を借りる必要がある、つまり投資家が株を証券会社から株を借りて、証券会社の株が足りなくなっているといえると思います。融資が多いときはその逆で、投資家が信用買いをしているといえます。
まとめ
とりあえず、主要だと思った言葉について書いてみました。思ったより量が多かったので、分けて書いていきます。
まだ、ほんの一部についてしかかけてないですが、今回書いた言葉を知ることで、その銘柄が他の銘柄と比べてどうなのかということが少しわかるようになると思います。
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