投資手法の一つにドルコスト平均法というものがあります
一回の投資金額を固定して、レートに合わせて取引数量を変動させるというものです
米ドル/円のFX取引でこのドルコスト平均法を上手く使うにはどんなふうにすればいいか、自分なりに考えてみました
関連記事:スワップポイントで稼ぐならユーロズロチ
ドルコスト平均法とは何か
そもそもドルコスト平均法とは何ですか?という人のために、解説します
一般的には長期的な投資を行う際に用いられる手法です
冒頭でも書いたように一回に投資する金額を固定して、投資対象のレートに合わせて取引数量を変えていく手法です
株で具体的に説明します
1つの銘柄を毎月1日に買うという積み立て投資をするとします
ドル・コスト平均法の場合(毎月3万円)
平均購入単価:10,351円
1か月目 | 2か月目 | 3か月目 | 4か月目 | 合計 |
30,000口 | 20,000口 | 42,857口 | 23,077口 | 115,934口 |
30,000円 | 30,000円 | 30,000円 | 30,000円 | 120,000円 |
一定口数購入の場合(毎月3万口)
平均購入単価:11,250円
1か月目 | 2か月目 | 3か月目 | 4か月目 | 合計 |
30,000口 | 30,000口 | 30,000口 | 30,000口 | 120,000口 |
30,000円 | 45,000円 | 21,000円 | 39,000円 | 135,000円 |
こんなふうに、取引数量を調整しながら一定の金額を買い続けます
この手法のメリットは、平均取得単価を低くできるので、損失が出た場合でも小さくできる可能性が高いところです
株価が高いときには少なく、株価が低い時には多く株を買うので、平均取得単価が低くなります
あまり株の知識がない人や、利益は小さくてもいいから極力リスクを抑えて取引したいという人にはぴったりの方法だと思います
FXでドルコスト平均法を使いたい
米ドル円の取引では、ドルを買って円を売ればスワップポイントがもらえます
証券会社によりますが、10000通貨もっていれば1日90円弱のスワップポイントがもらえます
このスワップポイントを狙って取引しようと思ったときに一番簡単なのは、資金が許す限りのポジションをもって放置することです
100万円の資金があって25倍のフルレバレッジで取引をすれば1ドル=105円なら23万通貨のポジションをもてます
1年間で
23(万通貨)×90(円)×365(日)=755000(円)
75万円ものスワップポイントがもらえます
銀行にお金を預けるのがばかばかしくなっちゃいます笑
ですが、そんな風にうまくいくとは限りません
レートの変動が当然あるので、フルレバレッジでポジションをもっていると少し、レートが下に動いただけで強制ロスカットされてしまいます
少し余裕をもったレバレッジで取引したとしてもレートが下がった場合、スワップポイントの利ザヤよりレート変動の影響の方が大きいので、長期間含み損をかかえて不安と一緒にポジションを抱えることになってしまいます
こんなふうに一度にほぼ全力で取引をすることはスワップポイント狙いで長期的な取引をするには少しリスクが高いように思えます
だからドルコスト平均法で資金の投入タイミングを分散するのです
どうやって条件を決める?
ドルコスト平均法をやっていく上で、一回の取引き金額をまずは決めなければいけません
僕はFXに使っていい資金を決めています
だから積み立てのように毎月の給料から少しずつ資金を追加していくというわけではありません
少し最初に説明した僕が通常のドルコスト平均法と思っているものから改変したやり方でやってみたいと思います
まず、毎月買い増すというやり方ではなくレートが一定間隔下がったら買い増すという風にしたいと思います
短期トレードではナンピンはあまり推奨されませんが、試しにやってみます
また、想定する最低のレートまでドル安が進んでも資金に余力がある状態にできるように1回の取引数量を調整しなくてはいけません
つまり決めるのはこの2つ
・ナンピンの幅
・1回の取引金額
米ドル円の最低レートは?
過去10年間のドル円のレートの変動を見てみると最低で80円弱まで下がっています
なので超単純ですが、少なくとも80円/ドルまでは買い下がったとしても余力があるように設定します
きっと為替レートがどんなふうに決まってるかとか、今後のドル円の関係性の見通しとかもっといろいろ考えてから決めるべきなんだとは思いますが
一定の値幅 X (pips)でナンピンをしていくとすると、105円から80円までの間にナンピンできる回数は
(105-80)×100(pips) / X 回
となります
50pipsごとにナンピンをする場合、50回もナンピンできてしまいます
105円のときに1000通貨買うとして、1回の取引金額を105000円とすると、
このときのレートが80円/ドルに達した時には平均取得単価は92円で、約58000通貨のポジションをもっていることになります
含み損は
1200(pips)×58000(通貨)=696000 円
これは耐えられない笑
スワップポイントをそこまでに貯められればまだ少し余裕があるかもしれませんが、強制ロスカットも見えてきそうなラインです
もう少し安全にするために一回の取引金額を半分の500通貨にします
すると、ポジション、含み損は当然半分くらいになります
80円/ドルに達した時には、
・平均取得単価 92.1円
・ポジション 29600通貨
・含み損 355000円
これならまだ強制ロスカットまでも余裕があります
ですが、どこが底かなんてことは誰にもわかりません
平均取得単価を下げながら、一回あたりは少ない数量で取引をするといってもリスクについてもう少しちゃんと考えた方がよいでしょう
レートが上がった場合はどうしよう
ここまでレートが下がったときは、一定間隔で買い増すという前提で検証をしてきました
逆にレートがスタート時点よりあがったときはどうすればいいでしょう
基準より下に行った場合のみ買い増すというのがもっともリスクの少ないやり方ではあります
しかし、そこからレートが上がり続けた場合、しばらくはごく少ないポジションのスワップポイントしか利ザヤがとれません
それは少し寂しい気もします
一方で、レートが上がった場合も買い増すとなると、先ほど決めた最低ラインの80円までレートが下がった場合のダメージはより大きくなってしまいます
スタート時より上のレートでは取引数量、取引回数をガクッと少なくするのがいいかもしれません
まとめ
ドルコスト平均法でリスクを小さくしたとしても、最悪の場合にはそれなりの損失が出てしまうことを認識させられる結果となりました
もう少しやり方を吟味する必要がありそうです
コメント