FXでマーチンといえばドクターマーチンでもなくアストン・マーチンでもなく、マーチンゲール法のことです
マーチンゲール法とは一体なんなのか、勝てる手法なのか?検証していきましょう
マーチンゲール法とは?
マーチンゲール法とはギャンブルでもともと使われている手法のことで負けるたびに賭金を倍にしていく手法です
具体的にいうと最初に1,000円賭けて負けたら次は倍の2,000円賭けるという具合です
1,000円賭けて負けても次に2,000円賭けてそれが倍になればトータル+1,000円です
2,000円賭けて負けても次に4,000円賭けてそれが倍になればトータル+1,000円です
そんなかんじでいつかは勝てる手法というわけですね
パターン | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | トータル |
2回目で勝つ | 1,000円負け | 2,000円賭け 4,000円勝ち | 1,000円勝ち | |||
3回目で勝つ | 1,000円負け | 2,000円負け | 4,000円賭け 8,000円勝ち | 1,000円勝ち | ||
4回目で勝つ | 1,000円負け | 2,000円負け | 4,000円負け | 8,000円賭け 16,000円勝ち | 1,000円勝ち | |
5回目で勝つ | 1,000円負け | 2,000円負け | 4,000円負け | 8,000円負け | 16,000円賭け 32,000円勝ち | 1,000円勝ち |
マーチンゲール法という名前の由来
変わり者が多いと有名だった南フランスのマーティギューという地方があり、マーティ ギューの出身者が好んで倍々ベットを使用してはいつもギャンブルに負けていたことから、それを嘲笑して「マーチィギューシステム」と言われそれが「マーチン ゲール法」となったそうです
この由来を効くとあまりいい方法な感じはしませんね
FXでマーチンゲール法を使うならどんな感じ?
FXはカジノでやるルーレットなどのギャンブルと違って、賭金が全部なくなるor倍になるというものではありません
なので、マーチンゲール法をFXに取り入れるなら、FXは取引単位と値動きによって損益が決まるので、そのへんがキチンとマーチンゲール法になるように工夫が必要です
例えば、ユーロドルで1,000通貨を1単位としてトレードして100pipsを目標にするとします
その場合はまず1,000通貨でエントリー100pips勝つor100pips負けるまで待つ
勝った場合はもう1回1,000通貨で100pips勝つor負けるまで待つ
負けた場合は2,000通貨でエントリーして100pips値動きがあるまで待つという感じですね
上がるか下がるかのFXで10連敗はありえない?
マーチンゲール法を1000円からスタートした場合、9連敗したときの負け総額は
1,000+2,000+4,000+8,000+16,000+32,000+64,000+128,000+256,000=511,000円です
この負けにはなんとか耐えられるとしましょう
そして上がるか下がるかのFXで勝てる確率は1/2のFXで10連敗する可能性は1/1024です
さすがに10回目には勝てるはずです
そうすれば511,000円のマイナスを取り返して+1,000円の利益を残せます
もしかしてマーチンゲール法は万人が勝てる手法といえるのでは?
本当に9連敗まで耐えられるか?
ですが、512,000円なんて損失にそもそも耐えられるんでしょうか
さっきの9連敗の負け金を計算するときに賭金が増えるスピードが速すぎて桁を間違えてしまったくらい、倍々の勢いはすごいです
僕レベルのトレーダーだったら512,000円も負けたら退場するしかありません
勝てなくてもやり直せる損失の範囲内で賭金をリセットするという冷静さも必要だと思います
100円スタートなら9連敗で51,200円なのでまだ耐えられますが利益が小さすぎるのでちょっとやる気にならないですね
連敗したあとの資金、取引できる量も想定しておく
マーチンゲール法を使って連敗をしていくと、当然資金は減っていきます
最初の資金で最大どれだけの取引量でトレードできるか見積もってしまうといざ連敗して取引量を増やそうと思ったときに”あれ?”となってしまいます
例えば、10万円資金があったとしてユーロドルのトレードはだいたい17,000通貨までできると思います
なので1単位1000通貨としてトレードしていくと4連敗までしても次のトレードで取り返せる(16,000通貨の取引まで可能)なように見えます
ですが、4連敗するときにはそこまでの負けで資金が減っています
1回のトレードで100pips逆行したら損切りするルールにしているとすると15,000円以上負けているので、資金は85,000円以下になっているはずです
この資金でトレードできるのは14,000通貨なのでこの時点でマーチンゲール法を続けることができません
このようにならないように、取引量、1回のトレードの損切り幅、どこで取引量をリセットするかというのをよく考えて最初に設定する必要があります
マーチンゲールの派生手法
マーチンゲール法には派生の手法があり、それぞれに特徴があります
グランマーチンゲール
大マーチンゲールとも呼ばれる方法です
まず1単位賭け、負ければその倍の2単位+1の合計3単位、さらに負ければ倍の6単位+1の合計7単位、と賭けていく手法です
常に試行回数×1単位を得ること狙う攻撃的な手法です
つまり負けが続くとその後取り返したときの利益が大きくなっていきます
ただし当然、賭金が増えるスピードが早いのでマーチンゲールよりパンクのリスクは高くなります
試行回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
金額 | 1単位 | 3単位 | 7単位 | 15単位 | 31単位 |
勝ったときの収入 | 2単位 | 6単位 | 14単位 | 30単位 | 62単位 |
トータル | 1単位 | 2単位 | 3単位 | 4単位 | 5単位 |
パーレー
逆マーチンゲールとも呼ばれ、その名の通りマーチンゲールの反対の手法です
つまり1単位賭けた後、勝てばその倍の2単位、さらに勝てばその倍の4単位、負ければ1単位に戻す、という手法です
勝ち続ければどんどん加速度的にお金は増えていきますし、負けた場合も負け額は連勝スタート時の最小単位の賭け金分だけなのでリスクを抑えた賭け方と言えるかもしれません
(文章だとよくわからないと思うので下の表をじっくりながめてみてください。連勝すると前の勝ち分をそのまま次のゲームにかける形になるので、持ち出しは最初の1回分だけなのです)
勝ち続ければ大勝できますが、負けるまで続けてしまうといつかはトータルマイナスになってしまいます
なので、どこで賭け金を最小単位に戻すかというのが肝となります
事前に○連勝したら賭け金を戻すと決めておく必要があります
負けたときには賭金を1単位に戻すというのは負けて熱くなって賭金を増やして更に負けるというFXのよくない負け方の歯止めになるので、意外といいやり方なのかも?と思いました
試行回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
金額 | 1単位 | 2単位 | 4単位 | 8単位 | 16単位 |
勝ったときの収入 | 2単位 | 4単位 | 8単位 | 16単位 | 32単位 |
負けたときのトータル | -1単位 | -1単位 | -1単位 | -1単位 | -1単位 |
ダランベール
ジャン・ル・ロン・ダランベールが開発したと言われる手法です
勝った場合は次のゲームで賭け金を1単位減らし、負けた場合は次のゲームで賭け金を倍ではなく1単位だけ増やす手法です
マーチンゲールのように、一度の勝ちでただちに全ての負け分を取り返すことは出来ませんが、負けが続いてもチップの減りは他の手法に比べると緩やかです
ただしチップの減りが緩やかな分、勝った際も急激には増えないため、大きな利益を得るためには時間がかかります
試行回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
結果 | 勝ち | 勝ち | 負け | 負け | 勝ち |
賭け金額 | 1単位 | 1単位 | 1単位 | 2単位 | 3単位 |
n回目の収入 | 2単位 | 2単位 | -1単位 | -2単位 | 6単位 |
n回目までのトータル収支 | 1単位 | 2単位 | 1単位 | -1単位 | 2単位 |
ピラミッド
ダランベールのバリエーションの一つです
最初のベットを1単位でなく、例えば5単位とし、勝った場合は1単位減らし、負けた場合は1単位増やします
ダランベールより更にチップの増減が緩やかになります
リミットに到達した場合(例えば上限の9、下限の1)元の5単位に戻す方法と、そのまま続ける手法とがあります
普通のダランベールにも共通ですが、勝って賭金をへらすやり方はコツコツドカン回避に有効かもしれません
試行回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
結果 | 勝ち | 勝ち | 負け | 負け | 負け |
賭け金額 | 5単位 | 4単位 | 3単位 | 4単位 | 5単位 |
n回目の収入 | 10単位 | 8単位 | -3単位 | -4単位 | -5単位 |
n回目までのトータル収支 | 5単位 | 9単位 | 6単位 | 2単位 | -3単位 |
また、FXの場合は取引できる最小単位が決まっており、これまで最小単位で取引をしていたトレーダーがピラミッド法を使おうとすると最初の賭け金を引き上げざるを得なくなります
賭け金の増加によって1回1回のトレードが狂ってしまわないように注意が必要です
実際にやってみた
ここまで紹介したマーチンゲール法を使ってバックテストをしてみました
一番基本的なマーチンゲールの場合
インジケーター:ストキャスティクス
トレード手法:%Kが20%にタッチでロング(ショート決済)、80%にタッチでショート(ロング決済)
通貨ペア:ユーロドル
マーチンゲール:負けたら次の取引量倍、勝ったら取引量リセット
期間:1週間
感想
3回までしかマーチンゲールで取引量が増やせないロット設定だったため、3連敗目で買い増しストップ
損切りの設定が荒すぎたので、もう少しまじめにやる必要がある
トータル-76,654.12円負け
コメント