【FX・株のチャート分析】 インジケーター、チャートパターンは未来を予言しているのか?【テキサスの名射手の誤謬】

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みなさんは予言って信じますか?
過去にはノストラダムスの予言ってやつが大きな騒動になったりしましたがもし予言ができる人がいるなら相場の未来を教えてほしいです

この記事では予言にまつわる人間の心理の癖とその癖のトレードへの影響について解説していきます!

先生
先生

突然ですが、歴史的事件と映画に共通点があったらどう思いますか?

でかお
でかお

その事件を題材に作られた映画なのかな?

先生
先生

では、その映画の方が事件より先につくられていたとしたら?

でかお
でかお

もしかして、予言?

ぷりお
ぷりお

偶然でしょ。。。

こういう出来事は過去にいくつかあります
では実際の出来事の前に作られた作品は、未来の事件を予言していたのでしょうか?

もしかしたら本当に予言していたのかもしれません。
一方でその作品を予言っぽくするのに僕たち人間の思考の癖が一役買っているのも事実です。

この記事でわかること
  • ”テキサスの名射手の誤謬”の意味
  • この思考の癖がトレードに与える影響とその対策
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テキサスの名射手は後付けの的を撃つ

テキサスの名射手の誤謬という言葉はこんな話から来ています

テキサスの名射手のお話

カウボーイが納屋の壁に銃を撃ちまくりました

当然弾痕は壁にでたらめにつきます
まばらに穴が空いているところもあれば、穴が集中しているところもあります

誰かが穴が集中しているところに的を書きたしました

後からそれを見た人は、なんて腕のいいカウボーイなんだと驚きました

この話から偶然の出来事に対して後付けで人工的な秩序を付け加えて何かの法則があるかのようにしてしまうことをテキサスの名射手の誤謬といいます

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偶然の一致とは思えない?過去の事件

テキサスの名射手の誤謬によって、過去の出来事が予言されたといわれていた出来事はいくつかあります

タイタニック号沈没と小説の例

例えば、タイタニック号の沈没という実際の事件とFutilityという小説という話があります
小説の発表はタイタニック号が沈む14年前なので、もし小説と事件の内容が一致していたら作者は事件を予言していたことになります

小説にはタイタン号という船が登場しますが、タイタニック号との間にはこんな共通点がありました

タイタン号(小説)とタイタニック号の共通点
  • かつて建造された中で最大の船
  • 最大乗客数は同程度
  • 船の救命ボートはどちらも必要数の半分しか備わっていない
  • 事故の起きた場所、月が同じ

事故の起きた場所と月が一致するというのはかなり低い確率な感じがしますし、予言といえるんじゃないかともおもいますよね

他にもノストラダムスがヒトラーが現れること、引き起こすことを予言していたという説もあったり、リンカーンとケネディには多くの共通点があり、ふたりが射殺されたのには何か共通の意味があるのではないかと考える人がいたりなど、不思議な力を感じてしまうできごとが過去にはたくさん起こっています

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予言は後付けできる

さっき書いたような予言と実際のできごとの共通点は、後から書き足された”的”に命中した部分だけを見ているにすぎません
的の外に目を向ければそこにもたくさんの弾痕があることに気づくはずです

タイタン号の例でいえば、こんな違いがある

タイタン号(小説)とタイタニック号の相違点
  • タイタニック号は初航海で、タイタン号は3回目の航海の帰り道で沈んだ
  • タイタン号の方が死者が多く、乗客はほとんど生き残らなかった
  • タイタン号は帆船

相違点がわかると小説を予言書めかせていた不思議な力も薄れてきた感じがします

ノストラダムスの予言についてもヒトラーの予言と思われている四行連以外にもたくさんの的中していないあいまいな予言をしていたり、ヒトラーを表すと思われている単語が実はラテン語で川の名前を表す言葉だったりします

要は、人間の脳が後付けで予言と実際の出来事の間の共通点を上手に見つけてただの創作を予言っぽくみせていたというふうにも言えるのです

このようにランダムな出来事に人工的に後付けの秩序を付け足して何か意味があるようにとらえる癖が人間の思考、心理にはあることが分かったと思います

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トレードとテキサスの名射手の誤謬のよくある質問

テキサスの名射手の誤謬とは何ですか?

「テキサスの名射手の誤謬」とは、後から見て都合の良い “的” を設定して、偶然のばらつきをまるで秩序あるもののように見せてしまう人間の心理的な錯覚のことです。実際にはランダムなデータや出来事に、後付けで意味を見出そうとする傾向を指します。

なぜこの誤謬が投資・トレードにおいて問題になるのでしょうか?

トレードでは過去の値動きを元に “パターン” を見つけようとしますが、人は偶然の揺らぎの中から意味を見つけようとしがちです。この誤謬が働くと、「偶然の部分」を無視して自分に都合の良いパターンばかりを信じてしまい、過度な信頼を置く危険性があります。

チャート分析のインジケーターやパターンは無意味なのでしょうか?

全てが無意味というわけではありませんが、インジケーターやパターンは「未来を予言する魔法の道具」ではありません。あくまで確率や傾向を読み取る「解釈の道具」であり、絶対的な正しさを保証するものではないという前提を持つことが重要です。

この誤謬を回避するためにはどうすればいいですか?

以下のような対策が有効です:

  • 複数の指標・視点を併用して判断を分散させる
  • 過去データの “見落とし部分” も意識して検証する
  • 過信せず、誤りを認める柔軟性を持つ
  • バックテスト・フォワードテストを活用し、偶然か否かを検証する

バックテストって何ですか?

バックテストとは、過去の相場データを使って自分の売買ルールや手法を検証する方法です。

過去のチャートでそのルールを適用して、もし過去にその方法でトレードしていたらどうなっていたかをシミュレートします。

フォワードテストとは何が違うのですか?

フォワードテストは、過去のデータではなく「これからのリアルな相場」で同じルールを試してみることです。

バックテストが過去の適合性をチェックするのに対して、フォワードテストは実際の運用性を確認する手段となります。

この誤謬が強く出やすいトレーダーの特徴はありますか?

以下のような傾向が見られやすいです

  • パターン探しに固執する
  • 成功例ばかりを重視して失敗例を無視する
  • 勝率の高さや過去の好成績だけを信じてしまう
  • 心理的に「意味があるはず」と思い込む癖が強い

誤謬に陥っているかどうかを自分でチェックする方法はありますか?

はい、以下の点を意識すると自己チェックできます

  • 成功・失敗を偏りなく記録し、成功だけを切り取っていないか
  • そのパターンが他の期間でも通用するかどうかを検証しているか
  • 結果が予想どおりでなかった場合に仮説を修正できるか

このテーマはどのような投資スタイルで特に注意すべきですか?

短期取引(デイトレード・スキャルピング)、テクニカル中心の取引、またアルゴリズムや自動売買においては、誤謬に陥るリスクが比較的高いです。

パターンを“必勝法”的に扱わず、慎重な検証とリスク管理を組み合わせることが必須です。

記事の内容を実践に活かすには、まず何をすればよいですか?

まずは自分の取引ルールや分析手法に対して批判的な目を持つことです。

バックテストを行い、負けパターンも含めて検証し、偶然性と整合性を見極める習慣をつけていくことが実践への第一歩となります。

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トレードとテキサスの名射手の誤謬のまとめ

ここまでテキサスの名射手の誤謬の解説をしてきましたが、この癖はトレードにどう影響するのでしょうか

株やFXのチャートはランダムそのものです

このチャートを分析するためにトレーダーは自分なりのパターンを見つけ出す必要があります
そのために様々なインジケーターが作られました

僕はFXのトレードでMACDストキャスティクスなどのインジケーターを使いますがこれらの指標の売買サインやチャートパターンが絶対的な”意味”を表しているわけではないのです

もっと具体的にいうと、MACDラインをシグナルラインが下から上に抜けていったから相場が上昇に転じるわけではありません
ストキャスティクスが80を超えたから買われすぎというわけではなく、そうなったらすぐに相場は下降に転じなければいけないというルールがあるわけではありません

あくまでこれは相場の解釈の1つでしかありません

チャートパターンやインジケーターのサインが出て、多くの人がこれらのインジケーターの売買サインを信じて、売ったり買ったりするからレートの上昇や下降が生じるんです
インジケーターを信じている人たちの行動がインジケーターのサインを”予言”にしているのです

なので、もし自分の売買サインを作ろうとするなら、同じ局面で他のトレーダーもあなたと同じ行動をとるものでなければいけません

チャートの行方を決めるのはあなたの売買サインではなく、トレーダー全体の売買行動なのです

もしあなたが完璧な売買サインを見つけたと思ったら、この誤謬のことを思い出してください
あなたが描いた”的”の中にすべての弾痕が入っていますか?
的から外れている弾痕はどうしても無視したくなるのがこの誤謬の特徴です

また、大きすぎる的も考えものです
誰もその的と弾痕を見て、カウボーイが名射手だなんて思わないでしょう
トレードに置き換えると大きすぎる的は、なんでもかんでも手を出してしまうトレードといえるかもしれません
すべてのトレードチャンスをものにできるとあなたが思ったそのトレードサインは、全くのノーチャンスの局面でもあなたにトレードをさせて損をさせる予言かもしれません

まとめ
  • 人はランダムなものの中に後付けの秩序を与えてパターンを見つけたがる
  • インジケーターやチャートパターンのサインが相場を動かすわけではない
  • 売買サインを決めるなら、より多くの人が信じるものがよい

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