株やFXのトレードにはメンタルも大事だとよく言われます
チャート分析の技術や銘柄の良しあしを判断する知識を身につけてもメンタルが伴っていなければそれらを上手く使いこなすことができません
人間の心理には”癖”とも呼べるような不合理な部分があります
その”癖”は人の思考に影響し、ときには傍から見ればなんでそんなことをするのか理解に苦しむような行動を僕たちに引き起こさせます
無意識下でその心理ははたらくので自分だけで気づくことは難しいです
取返しのつかない損失を出してしまう前に、心理の癖を理解し意識することで勝てるトレーダーを目指しましょう
プロスペクト理論
トレードの世界でも有名な理論だと思うので1番に持ってきました
簡単に言うと、利益を得たときの喜びより損失の悲しみの方が大きいというものです
同じ金額ならそれによって生じる感情の強さも同じような感じがしますが、人間の心はそんなふうにはできていないようです
これがどうトレードに影響するかというと、トレードを繰り返す中で発生する利益と損失を平等に考えにくくします
損失のストレスが大きい分それを確定するのを先延ばしにする一方で、利益は失わないためにすぐに確定しようとしてしまうのです
これが繰り返されると、トレードの理想とされる”損小利大”とは真逆の”損大利小”の結果になってしまいます
確証バイアス
あなたの考えは、あらゆる情報を公平に吟味して作り上げられてきたものでしょうか
Yesと答えた人、この確証バイアスという考え方はその答えを否定するものです
人は自分の意見を裏付ける情報に注目し、あらかじめ持っていた考えに反する情報は無視する傾向があります
この偏りを確証バイアスといいます
たくさんの情報があふれている今の世の中、すべての意見に耳を傾けていたら身動きが取れなくなってしまうので、ときにはえいや!と動くのもいいのですが、うまくいかないときは自分とは反対の意見にも耳を傾けてみましょう
チャート分析手法について、よさそうな手法を見つけたとしましょう
それからはあなたはその手法の正しさを支持する人の意見や、手法がうまくいったときのチャートパターンがたくさん頭に残るようになるでしょう
過去のチャートで手法を検証しようとしても、手法がうまくいかない部分は無視してしまうかもしれません
そして、実際のトレードで大損してから手法の弱点に気が付くのです
テキサスの名射手の誤謬(ごびゅう)
人は偶然の中にも意味を見出そうとします
ランダムな事象になにか原因があると考えたいときは特にその”癖”が強化されます
FXのチャート分析や手法を考案するときはまさにそんな状態です
ランダムに上下するチャートになんとかして意味を見出して、自分の予想に使おうとしているのです
長い下髭が出たから反転のサインだ!買いだ!
このインジケーターが下向きだから売りかなー
実際にはその法則性に従っていない値動きもたくさんあるのに意味を見出すために無視している部分もあります
これはさっき解説した確証バイアスによるものとも考えられます
ここでいいたいのは、チャート分析をして法則性を見出そうとするのは後付けで全く意味がないということではありません
人には、ランダムなものから意味を見出そうとする癖があるということを知っておくことが大事なのです
本当の”意味”というのはチャートにはなくてトレーダーそれぞれが勝手につけているということです
チャートをトレーダーが解釈したかに関わらず、トレーダーの行動はすべて買いか売り(時には何もしない)に集約されます
そして買いたい人がおおければレートは上がっていくし、売りたい人が多ければレートは下がっていきます
絶対的に正しいチャートパターンがあると考えるのではなく、多くの人がこのチャートにどんな意味付けをするかという視点でチャートを見ることが必要です
まとめ
チャート分析を邪魔する人間の心理的癖を紹介しました
自分の心理的な癖を知っておいて、常に合理的な判断ができるわけではないことを理解しましょう
癖を認識することで癖に邪魔されずにトレードすることができるようになると思います
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