僕の中では会社員はある程度会社から守られていて、そう簡単にはクビにならないというイメージがありますが、会社によってはそうでもないようです
引用元:https://edition.cnn.com/2024/01/19/investing/wayfair-layoffs/index.html
Wayfair lays off 13% of its workforce weeks after telling employees to work harder
オンライン家具小売業のウェイフェアが、パンデミック下のロックダウン時の成功に伴う反動で業績回復に苦しんでいるなか、世界的な従業員の13%にあたる1,650人を解雇すると発表した。
最近、従業員にもっと頑張るよう言ったCEOのNiraj Shah氏は、金曜日に公開した手紙で、ウェイフェアが「好景気時期に採用が過剰だった」と認め、2020年のオンラインショッピングブームに言及し、それがウェイフェアの売上高を2倍の180億ドルに押し上げる「劇的な需要の高まり」を引き起こしたと述べた。
数年後、業績は変わり、Shah氏は2022年中盤に「不況期に突入したことは明白だった」と記し、ウェイフェアが2022年と2023年に複数回の人員削減を実施したことを明らかにした。
Shah氏は金曜日に「私は、コミットした少人数のチームが達成できることに企業として集中し続ける必要があると信じている。多すぎる優秀な人材を抱えることは、人材不足よりも問題が大きい場合が多い」と記した。
今回の人員削減のうち、約20%が企業チームで、年間2億8000万ドルのコスト削減が見込まれている。
全従業員には金曜日に雇用の見通しについて電子メールで通知される。影響を受けた人には退職金が提供される。
ボストンに本社を置く同社の2023年時点での従業員数は約14,000人だった。ウェイフェアの株価(W)は米国の市場取引前で16%近く上昇した。
ウェイフェアの苦境
ウェイフェアは、高級家具や他のインテリア用品への需要が白熱し、世界的なサプライチェーンを混乱させ、配送の遅延を引き起こしたパンデミック初期に繁栄した。
しかし、4年後の今、状況は大きく異なる。
インフレにより高騰した価格が残され、中間所得者は裁量的な購入を控え、食料品、ガス、家賃などの必需品の支払いに集中している。
裕福な顧客は、家具などの商品から旅行やサービスへの支出をシフトさせ、住宅ローン金利も高止まりしていることから、新築住宅への需要が落ち込んでいる。
昨年末、ウェイフェアのShah CEOは、仕事と生活を融合させるよう社員に直接言う年末の手紙で注目を集めた。
「勝利には努力が必要だ。野心的な個人である私たちのほとんどは、自分の努力が具体的な結果として現れることに喜びを見出すと信じている」とShah氏は今月上旬の社員へのメッセージで述べ、最近の成功を祝った。
「長時間労働、即応性、仕事と生活の融合から逃げるべきではない。怠惰が成功と報われる歴史はほとんどない」とも付け加えた。
Shah氏はまた、ウェイフェアの社員に会社のお金を自分のお金のように考え、価格交渉をすることを奨励した。
高低差ありすぎて耳キーンなるわ!なぜ方針転換が必要に?
ウェイフェアが社員を励ました数週間後に大規模な人員削減を行った理由は以下の点が考えられます。
- パンデミック時の特需が去った後、業績が思うように回復しなかった
- インフレと金利上昇の影響で家具などへの消費が減速した
- 業績悪化に対応できずにコスト削減を迫られた
- 採用が好況時に過剰だったと判断した
つまり、ウェイフェアはパンデミックの特需で業績が伸びた際に社員を過剰に採用し、経営トップが社員に頑張れと呼びかけたものの、その後の環境変化に適応できず業績が思うように伸びなかったため、コスト削減の一環として人員削減に踏み切ったと考えられます。
時代の変化に合わせて業績予測が外れ人員過剰となり、トップの判断の甘さが裏目に出た形です。
市場の流れに乗じて会社を急成長させることは利益の拡大につながりますが、一歩読み違えると過剰な固定費を抱えることになるので、先を読む力が必要なようです
今後ウェイフェアはどう立ち直るのか?
ウェイフェアが今後立ち直っていくためには、以下の点が鍵になると考えます。
- コスト構造の改善
- 今回の大規模な人員削減で固定費を下げ、収益性を高める
- 商品競争力の向上
- 消費者ニーズに即した商品開発
- 他社と差別化されたオリジナル商品の拡充
- 顧客体験の改善
- ウェブサイトやアプリの利便性向上
- 迅速な配送と返品サービスの実現
- 新規事業の開拓
- 宅配事業やインテリア設計サービスなどの多角化
- 新たな収益源の確保
今回の決断は痛手ですが、こうした取り組みで業績回復を目指し、成長基盤を着実に構築していくことが大切だと考えます。消費者からの支持取り戻しが不可欠です。
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