「株に興味はあるけれど、何から始めればいいのか全然わからない」——そんな初心者の方に向けて、この記事では株式投資の始め方をゼロからわかりやすく解説します。
証券口座の開設や株の選び方、リスクへの向き合い方まで、投資経験がない人でも迷わず進めるよう、ステップ形式で構成しています。
NISAや少額投資など、若年層に人気の方法も取り上げながら、自分に合った投資スタイルが見つかるヒントも紹介。
この記事1本で、あなたも今日から「投資を始める一歩」を踏み出せます。
株式投資を始める前に知っておきたいこと
株式投資に興味を持ったら、まずは「株とは何か?」という基本を理解することが大切です。
この章では、株式投資の仕組みや利益の種類、メリット・デメリットなど、投資を始める前に押さえておきたい基礎知識をまとめて紹介します。
株式投資とは何か
株式投資とは、企業が発行する「株式」を購入し、その企業の成長や利益の一部を受け取ることを目的とした資産運用の一種です。
株式を持つということは、その企業の「オーナーの一部」になることを意味します。
たとえば、あなたがコンビニチェーンの株を買えば、その企業の一部を所有していることになります。
企業は株式を発行することで事業資金を集め、そのお金を使って設備投資や新商品開発などを行います。
投資家は、その結果として企業の価値が上がれば「株価の値上がり益(キャピタルゲイン)」や「配当金」などの利益を得られる可能性があります。
つまり、株式投資は企業と投資家がWin-Winの関係を築く仕組みなのです。
最近ではスマホ一つで簡単に取引ができ、数百円から投資を始められるサービスも登場しており、若年層を中心に関心が高まっています。
株で得られる3つの利益
株式投資で得られる利益は、大きく分けて3つあります。
それぞれの仕組みを理解しておくことで、どのように資産が増えていくのかをイメージしやすくなります。
① 値上がり益(キャピタルゲイン)
買ったときより株価が上がったときに売却すれば、その差額が利益になります。
たとえば1株1,000円で買った株が1,500円に上がれば、500円の利益です。
短期間でも利益を得ることが可能ですが、株価は日々変動するため、タイミングの見極めが重要です。
② 配当金(インカムゲイン)
企業が利益を出したとき、株主に還元するのが配当金です。銀行の利息のように、持っているだけで定期的に収入を得られるのが特徴で、長期保有を前提とした投資スタイルに向いています。
③ 株主優待
企業によっては、一定数以上の株式を保有する株主に対して、自社製品や割引券などの「株主優待」を提供しています。特に日本企業で人気があり、日常生活に役立つ商品がもらえる楽しみもあります。
これら3つの利益は企業や投資スタイルによって得られ方が異なります。
まずは自分がどの利益を重視したいのかを明確にすることが、投資戦略を立てる第一歩になります。
株式投資のメリットとデメリット
株式投資には資産を増やせる可能性がある一方で、注意すべきリスクも存在します。
ここでは、初心者が知っておくべき主なメリットとデメリットを紹介します。
【メリット】
- お金を「働かせる」ことができる
銀行預金ではほとんど利息がつかない時代、株式投資は資産を効率的に増やす手段として注目されています。 - 少額から始められる
近年では1株から購入できる「単元未満株」や、月々数百円の積立投資サービスもあり、学生や新社会人でも無理なく始められます。 - 経済や企業への関心が高まる
投資を通じてニュースや企業の決算情報に興味を持つようになり、経済リテラシーの向上にもつながります。
【デメリット】
- 元本割れのリスクがある
株価が購入時より下がると損失が出る可能性があります。
特に短期的な値動きに振り回されない冷静さが求められます。 - 情報収集や分析に時間がかかる
銘柄選びや市場の動向を把握するには、ある程度の知識と継続的な学習が必要です。 - 感情に左右されやすい
相場が下落すると不安になりがちで、冷静な判断が難しくなることも。
メンタル面のコントロールも重要です。
株式投資は魅力的な資産形成の手段ですが、リスクと正しく向き合い、コツコツと学びながら実践することが成功への近道です。
株式投資の始め方 始める準備編
投資を始めるには、証券会社で口座を開設し、入金するところからスタートします。
この章では、初心者が迷いやすい証券会社の選び方から、口座開設の流れ、入金方法までをやさしく解説します。
証券会社を選ぶポイント
株式投資を始めるためには、まず証券会社に口座を開設する必要があります。
しかし、証券会社にもさまざまな種類があり、どこを選べばよいか迷う人も多いでしょう。
以下のポイントを参考に、自分に合った証券会社を選びましょう。
① 手数料の安さをチェック
売買のたびにかかる「取引手数料」は、長期的には大きな差になります。
特に初心者や少額投資をする場合は、取引手数料が無料または安いネット証券を選ぶのがおすすめです。
② 使いやすい取引ツール・アプリがあるか
スマホで取引したい人は、操作が直感的で情報が見やすいアプリがあるかどうかも重要です。
株価チャートや企業情報がひと目で分かると、初めてでも安心です。
③ 少額投資への対応
「1株単位で買える」「100円から積立できる」など、小額で投資できるサービスを提供している証券会社も増えています。
資金に不安がある初心者には心強いポイントです。
④ NISA・iDeCo対応
税制優遇制度の活用は資産形成の効率を上げます。
新NISAやiDeCoなどの制度に対応しているか、サポートがあるかも確認しておきましょう。
自分の投資スタイルや生活に合った証券会社を選ぶことで、投資のハードルはぐっと下がります。
まずは複数の証券会社を比較してみるところから始めてみましょう。
証券口座の開設方法
株式投資を始めるには、証券口座の開設が最初のステップです。
近年はスマホやパソコンから簡単に申し込めるようになっており、初心者でも手間なく進められます。以下は一般的な証券口座開設の流れです。
① 証券会社のウェブサイトから申し込み
まずは公式サイトやアプリから口座開設を申し込みます。
希望する口座の種類(一般口座・特定口座・NISA口座など)を選択しますが、初心者には確定申告の手間が少ない「特定口座(源泉徴収あり)」がおすすめです。
② 本人確認書類の提出
運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類をアップロードします。
最近はスマホで撮影してそのまま提出できる「eKYC(オンライン本人確認)」が主流となっています。
③ 審査・口座開設完了の連絡
審査が完了すると、登録したメールアドレスなどにログイン情報が届きます。
早ければ即日〜数日で口座が開設され、ログインして取引できるようになります。
④ ログイン後、必要な初期設定を行う
初回ログイン後には、取引暗証番号の設定や、銀行口座の登録などを行います。
この設定が完了すれば、株式の購入準備が整った状態です。
多くの証券会社が「最短当日取引開始」などスピーディな対応をしており、学生や会社員でも空いた時間で手続きできます。
不安がある場合は、公式サイトのガイドやチャットサポートも活用しましょう。
証券口座への入金方法
証券口座を開設したら、実際に株を購入するために資金を入金する必要があります。
入金方法はとてもシンプルで、銀行口座から証券口座へお金を振り込むだけです。
ここでは、一般的な入金の流れと注意点を紹介します。
① クイック入金(即時入金)
多くのネット証券が提供している「クイック入金」は、指定の銀行口座から手数料無料・即時反映で入金できる便利なサービスです。スマホアプリやマイページから操作するだけで完了し、すぐに株の購入に使えます。
② 振込入金(通常入金)
自分の銀行口座から、証券会社が指定する振込口座に直接振り込む方法です。反映までに多少時間がかかる場合があり、振込手数料も自己負担になることがあるため注意が必要です。
③ 自動入金サービス(スイープ機能)
一部の証券会社では、連携した銀行口座から自動で資金が移動する「スイープ機能」が利用できます。たとえば三井住友銀行とSMBC日興証券、楽天銀行と楽天証券などが対応しています。
入金のタイミングにも注意
株式市場は平日の9:00〜15:00が取引時間です。すぐに買いたい株がある場合は、午前中までに入金しておくと、当日中の取引に間に合います。
クイック入金を使えば即日取引が可能なので、初心者には特におすすめです。
自分のメインバンクとの連携状況も考慮して、最適な入金方法を選びましょう。
株式投資の始め方 実際の買い方編
準備が整ったら、いよいよ株を買ってみましょう。
この章では、初心者でも安心して株を選び、注文を出すための基本的な流れと注意点、購入後の株の管理方法や売却の考え方までを説明します。
株の選び方
証券口座への入金が完了したら、いよいよ株を選んで購入する段階に入ります。
とはいえ、日本には3,000社以上の上場企業があり、初心者には「どの株を買えばいいのか分からない」という声も多く聞かれます。
ここでは、失敗しにくい株の選び方を解説します。
① 身近な企業・サービスから選ぶ
初心者には、自分がよく知っている会社や使っている商品・サービスの企業を選ぶのがおすすめです。たとえば「コンビニ」「通信会社」「ネットショッピング」など、日常で目にする企業の株なら、ニュースや業績の変化にも敏感になれます。
② 業績や安定性を確認する
企業の「売上高」や「利益」、「自己資本比率」などの財務情報も参考になります。特に、安定して黒字を出している企業は初心者にとって安心材料となります。証券会社のサイトでは、簡単なグラフで業績が確認できます。
③ 配当金や株主優待で選ぶ
長期で保有する場合は、毎年の配当金や株主優待もチェックしておきましょう。たとえば飲食券や日用品の株主優待は人気があり、実質的に「お得感」が得られます。
④ 分散投資の観点で選ぶ
複数の業種にまたがって株を持つことで、リスクを分散できます。たとえば、「食品」「IT」「インフラ」など異なる分野に投資することで、ひとつの業界の不調が全体に及ぼす影響を抑えられます。
最初は1社に集中せず、分散して少額ずつ買ってみるのが賢いやり方です。
無理なく、学びながら選ぶ姿勢が、投資力アップにつながります。
注文の出し方と取引の流れ
株を選んだら、次は実際に注文を出して購入するステップです。
証券会社のアプリやサイトから簡単に取引できますが、注文方法にはいくつか種類があり、最初は戸惑うこともあるかもしれません。
ここでは、基本的な取引の流れと用語をわかりやすく解説します。
① 銘柄コードを入力して株を検索
購入したい企業の「銘柄名」または「銘柄コード(4ケタの数字)」を入力し、該当する株を検索します。銘柄ページには現在の株価、過去のチャート、企業情報などが表示されます。
② 注文数量を入力
通常、株は100株単位(1単元)で売買されますが、証券会社によっては「1株から」購入できるサービスもあります。初心者はまず少額で始めるのが安心です。
③ 注文方法を選択
代表的な注文方法は次の2つです。
- 成行注文:株価に関係なく、すぐに買いたい(または売りたい)ときに使う。
- 指値注文:「この価格になったら買う/売る」と価格を指定できる。コントロールしやすいが成立しないこともある。
④ 注文の確認と実行
数量、価格、注文の種類を確認し、問題がなければ「注文する」ボタンを押して完了です。
注文が成立すれば、保有株一覧に追加され、株主としての立場がスタートします。
⑤ 約定(やくじょう)確認
注文が成立することを「約定」と言います。注文履歴やお知らせ通知で、約定の有無や価格を確認しましょう。
操作自体は数分で完了しますが、注文の種類やタイミングによって結果は変わってきます。
最初は少額で試しながら、取引に慣れていくのがポイントです。
購入後の株の管理と売却方法
株を購入したら、それで終わりではありません。
保有している間にも株価は日々変動し、企業から配当金や株主優待が届くこともあります。
ここでは、株を購入した後の管理方法と、売却するときの基本的な流れを解説します。
① 保有株のチェック
証券会社のアプリやマイページで、現在の株価・保有数・含み益(または損)などをいつでも確認できます。定期的にチェックし、企業の業績発表やニュースなども参考にしながら状況を把握しておきましょう。
② 配当金や株主優待の確認
企業によっては年に1~2回、配当金や株主優待を実施しています。権利確定日に株を保有していると受け取れるため、そのスケジュールをチェックしておくと、よりお得に株式投資を楽しめます。
③ 売却の判断基準
売却のタイミングに正解はありませんが、以下のような考え方が参考になります。
- 買値より大きく上がって利益を確定したいとき
- 企業の業績悪化や不祥事などでリスクを感じたとき
- 資金が必要になったとき
④ 売却方法
購入時と同様に、保有株を選択して「売り注文」を出します。
注文方法も「成行(すぐ売る)」「指値(指定価格で売る)」から選べます。
売却が成立すると、資金は証券口座に戻り、次の投資に使うことも、銀行口座へ出金することも可能です。
売却もまた投資判断の一環です。利益確定を焦らず、自分の目的や状況に合った判断を心がけましょう。
株式投資の始め方 初心者におすすめの投資スタイルと商品
株式投資にはさまざまなスタイルがありますが、初心者には向いている方法があります。
この章では、長期投資やインデックス投資、NISAや少額投資といった、少ないリスクで始められるスタイルや商品を紹介します。
インデックス投資と積立投資
株式投資の初心者にとって、最初に悩むのが「どんな方法で投資をすればいいのか」という点です。
その中で、インデックス投資と積立投資は、リスクを抑えながら安定的に資産を増やせる方法として、多くの専門家も推奨しています。
① インデックス投資とは?
インデックス投資とは、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの「株価指数(インデックス)」に連動する商品(投資信託やETF)に投資する方法です。
個別株と違い、複数の銘柄に分散投資できるため、特定の企業に依存せず安定性が高いのが特徴です。
たとえば、日経平均に連動する商品を買えば、日本を代表する企業225社にまとめて投資しているようなもの。プロ並みの分散投資を、初心者でも簡単に実現できます。
商品名 | 連動対象の指数 | 投資商品タイプ | 最低投資金額(目安) |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | S&P500(米国) | 投資信託 | 100円〜 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI) | CRSP USトータル・マーケット・インデックス(米国) | 投資信託 | 100円〜 |
ニッセイ日経225インデックスファンド | 日経平均株価(日本) | 投資信託 | 100円〜 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | NASDAQ100(米国) | 投資信託 | 100円〜 |
NEXT FUNDS 日経平均株価連動型上場投信(1321) | 日経平均株価(日本) | ETF(上場投資信託) | 約4万円(1口) |
② 積立投資とは?
積立投資は、毎月一定額を自動的に投資する方法です。たとえば、毎月1万円を決められた商品にコツコツと積み立てていきます。価格が高いときは少なく、安いときは多く買える「ドルコスト平均法」により、リスクを平均化できます。
③ インデックス投資×積立=最強の組み合わせ
この2つを組み合わせた「インデックス投資の積立」は、初心者が長期的に資産形成をするうえで、最も王道かつ堅実な方法と言えます。最近はNISA制度と相性がよく、手数料も低いため、若年層を中心に人気が高まっています。
短期間で大きな利益を狙うのではなく、時間を味方につけてコツコツと増やしていくスタイルが、自分の生活にも負担が少なく、続けやすい投資法です。
少額投資サービスの活用法
「投資ってまとまったお金が必要なんでしょ?」と思っている初心者の方も多いかもしれません。
ですが、最近は数百円〜1,000円台から始められる少額投資サービスが充実しており、学生や新社会人でも無理なくスタートできます。
① 単元未満株(1株から投資できる)
通常、株は100株単位(1単元)での購入が基本ですが、「単元未満株」や「S株」「ミニ株」などのサービスを使えば、1株単位で購入が可能です。たとえば1株500円の企業なら、ワンコインで株主になれます。
証券会社名 | サービス名 | 最低購入単位 | 取引時間帯 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | S株 | 1株 | リアルタイム(平日) | 買付手数料無料(売却時のみ手数料) |
マネックス証券 | ワン株 | 1株 | 終値ベース(1日1回) | 配当・優待も受け取れる |
auカブコム証券 | プチ株 | 1株 | 終値ベース(1日1回) | auユーザー向けの優遇あり |
LINE証券 | いちかぶ | 1株 | 日中リアルタイム取引 | スマホで簡単、キャンペーン豊富 |
PayPay証券 | テーマ投資・1株投資 | 1株(相当額) | 24時間注文可 | 数百円単位での分割投資が可能 |
② 積立投資型サービス
毎月自動で決まった金額を積み立ててくれるサービスも便利です。証券会社によっては、月100円からスタートできる投資信託の積立などがあり、クレジットカードやポイント払いにも対応しています。
③ ポイント投資
楽天ポイントやdポイント、Tポイントなどを使って投資できる「ポイント投資」も人気です。現金を使わずに投資の感覚をつかめるため、最初の一歩にぴったりです。
ポイント投資ができる主なサービス一覧
サービス名 | 利用できるポイント | 投資商品 | 最低投資金額 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|
楽天ポイント投資(楽天証券) | 楽天ポイント | 投資信託・国内株・米国株 | 100円〜 | ポイントで投信積立も可能。NISA対応。 | 公式サイト |
dポイント投資(dポイントクラブ) | dポイント | 運用コース制(疑似投資) | 100ポイント〜 | リアル取引ではないが値動き体験が可能 | 公式サイト |
PayPayポイント投資(PayPay資産運用) | PayPayポイント | ETF連動型商品 | 1円〜 | LINE証券と連携、即時反映 | 公式サイト |
ポイント投資(SBI証券) | Vポイント・Pontaポイント | 投資信託 | 100円〜 | 日常の買い物ポイントで資産形成 | 公式サイト |
④ 投資アプリの利用
最近ではスマホアプリを通じて簡単に少額投資ができるサービスも多数登場しています。操作がわかりやすく、自動運用や初心者向けのガイド付きのアプリもあり、投資初心者にとって強力な味方となります。
少額投資の魅力は、リスクを抑えつつ実際の投資経験を積めることです。
最初から完璧を目指すのではなく、小さな金額から「慣れること」を重視して始めてみましょう。
NISA制度の活用方法
株式投資を始める初心者にとって、「税金の仕組み」は少し難しく感じるかもしれません。
そんな中で、税金を非課税にできる制度として注目されているのが「NISA(ニーサ)」です。
正しく活用すれば、資産形成をより効率的に進められます。
① NISAとは?
NISAは「少額投資非課税制度」の略で、一定の投資額まで、株式や投資信託などの利益が非課税になる制度です。通常、株の売却益や配当に約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た利益はすべて非課税になります。
② 新NISAの概要(2024年改正版)
現在のNISA制度は2024年に大きく改正され、「新NISA」として生まれ変わりました。主なポイントは以下の通りです。
- 年間投資枠が大幅に拡大(最大360万円)
- 生涯投資枠1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
- 非課税期間が無期限
- 投資可能期間も恒久化
これにより、長期的にじっくり資産形成したい初心者にとって、非常に有利な制度となっています。
③ 初心者におすすめの使い方
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、初心者にはまず、手数料が安くて分散効果のある投資信託を活用した「つみたて投資枠」の利用がおすすめです。月1万円の積立でも長期間続ければ、大きな資産を築くことができます。
証券口座の開設時にNISA口座も一緒に申し込めるケースが多いので、ぜひ活用しましょう。
税金の節約は、資産形成において非常に大きな武器になります。
株式投資の注意点とリスク対策
株式投資にはリスクがつきものですが、事前に対策を知っておけば大きな失敗を防げます。
この章では、よくあるリスクの種類とその対処法、初心者が特に注意したい詐欺や誤情報への対策などをまとめています。
株式投資の代表的なリスク
株式投資には、資産を増やせるチャンスがある一方で、損失が出るリスクも存在します。
投資を長く続けるためには、リスクの種類と特徴を理解しておくことが大切です。
ここでは、初心者がまず押さえておきたい主なリスクを紹介します。
① 価格変動リスク
株価は日々変動しており、買ったときより下がってしまうこともあります。企業の業績だけでなく、経済状況や世界情勢、投資家の心理などさまざまな要因で値動きします。特に初心者は、値動きに一喜一憂しすぎないよう心構えが必要です。
② 信用リスク
企業が経営不振に陥ったり、最悪の場合は倒産してしまうと、株価が大きく下落したり、価値がゼロになる可能性もあります。安定した実績がある企業や、業界全体の見通しを確認してから投資することが大切です。
③ 流動性リスク
株によっては、取引量が少なく、売りたいときにすぐ売れないケースがあります。特に知名度の低い小型株では起こりやすく、思った価格で売買できないこともあるため、初心者は流動性の高い銘柄を選ぶと安心です。
④ 感情リスク(メンタル面)
株価が下がると「損したくない」という気持ちから焦って売ってしまったり、逆に上がると欲が出て無理な取引をしてしまうこともあります。冷静な判断を保つことができるかどうかも、投資では大きなポイントです。
リスクを完全になくすことはできませんが、正しく知って、分散・長期・少額から始めることで大きな失敗は防げます。
次章では、リスクを減らす具体的な考え方を解説します。
リスクを減らす投資の考え方
株式投資にリスクはつきものですが、適切な考え方と行動によって、リスクをコントロールしながら安定的に運用することが可能です。
初心者が長く安心して投資を続けるために、ぜひ知っておきたい基本的な考え方を紹介します。
① 分散投資を心がける
1つの銘柄や業種に資金を集中させると、もしその企業が不調になったときに大きな損失を受けてしまいます。
複数の企業、業種、さらには国内外の市場に分けて投資する「分散投資」を行うことで、リスクを抑えることができます。
② 長期目線で投資する
短期的な値動きに振り回されて頻繁に売買すると、手数料がかさむうえに損失が出やすくなります。
成長性のある企業やインデックス商品に長期的に投資することで、時間の経過とともにリスクがならされ、安定した運用が期待できます。
③ 無理のない資金で始める
生活費を切り崩してまで投資するのは本末転倒です。
「最悪ゼロになっても困らないお金」で始めることで、精神的なプレッシャーが減り、冷静な判断がしやすくなります。
④ 自動積立を活用する
毎月決まった金額をコツコツ投資する「積立投資」は、価格の変動を平均化できるドルコスト平均法という仕組みが働き、初心者にも適した投資手法です。
リスクを恐れすぎる必要はありませんが、備えを持つことで「安心して投資を続ける土台」ができます。
ルールを決めて、焦らずコツコツ積み上げていきましょう。
投資詐欺や情報商材に注意
株式投資が身近になる一方で、初心者を狙った詐欺や過剰な情報商材も増えています。
特にSNSやYouTube、LINEなどで手軽に情報が得られるようになった現代では、信頼できる情報を見極める力が重要です。
① 「必ず儲かる」は要注意
「絶対に儲かる」「100%勝てる」などのうたい文句は、詐欺の典型的な特徴です。株式投資にリスクは必ずつきものなので、そのリスクを一切語らない情報には注意が必要です。
② 高額な情報商材に注意
初心者向けと称して、数万円〜数十万円の有料教材やセミナーを売り込む手口もあります。内容が一般的な知識だったり、無料で手に入る情報と大差ないケースも多いため、冷静に内容と価格を見比べることが大切です。
③ SNS・YouTubeの情報は補助的に
個人の体験談や考察は参考になりますが、あくまで一つの意見にすぎません。鵜呑みにせず、証券会社や金融庁などの公的な情報源も確認するようにしましょう。
④ 不審な勧誘は無視する
知らない人からのDMやLINE勧誘で投資話をもちかけられたら、基本的には全て詐欺と思って対応しましょう。個人情報やお金を要求される前に、即ブロック・通報が鉄則です。
情報があふれる時代だからこそ、「おいしい話ほど疑う」慎重さが、投資を長く続けるための大事なスキルとなります。
知識と警戒心を持って、自分の資産を守りましょう。
株式投資の始め方のよくある質問
株式投資はどれくらいのお金があれば始められますか?
今では1株数百円から投資できるサービスも多く、まとまった資金がなくてもスタート可能です。
ミニ株や単元未満株、ポイント投資などを使えば、1,000円未満でも始められるため、学生や若い社会人にもおすすめです。
初心者におすすめの証券会社はどこですか?
初心者にはネット証券(楽天証券、SBI証券、松井証券など)がおすすめです。
理由は、手数料が安く、アプリが使いやすいこと、NISAなどの制度に対応していること、教育コンテンツが豊富なことが挙げられます。
株を買ったらすぐ売らなきゃいけないの?
いいえ。株は売らずにずっと持っていてもOKです。
むしろ初心者には、株価に一喜一憂せず、長期的に保有して配当金や優待を受け取る投資スタイルが向いています。
学生や20代でも株式投資をしている人はいますか?
はい、近年では20代の株式投資デビューが急増しています。
NISAや積立投資、ポイント投資の登場により、少額・低リスクで始められる環境が整っており、早いうちから投資を始める人が増えています。
どんな情報を参考にして株を選べばいいですか?
証券会社の公式サイトやアプリには、企業の業績や株価チャート、アナリストの評価などが掲載されています。
また、四季報やIR情報も信頼性の高い情報源です。SNSやYouTubeの情報も参考になりますが、過信せず複数の情報を比較することが大切です。
株式投資の始め方のまとめ
株式投資は決して「お金持ちだけのもの」ではなく、今では誰でも気軽に始められる時代になっています。
1株からの少額投資や自動積立、非課税制度のNISAなど、初心者に優しい制度やサービスが充実している今こそ、スタートのチャンスです。
この記事では、株式投資の基本から始め方、銘柄選びのコツや注意点までをステップ形式で紹介してきました。
大切なのは、焦らず、無理せず、自分に合ったスタイルで続けていくことです。
最初は不安もあるかもしれませんが、知識を身につけて経験を積むことで、投資はあなたの将来の味方になります。
「まず一歩を踏み出すこと」から始めてみませんか?
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