トレードで利益が乗ってきたら、増玉を行う、つまり買い増しや売り増しを行って、より大きな利益を狙うこと
例えば、1ドル=100円のときに5万通貨をロング、さらに1ドル=105円になった時点で3万ドル、1ドル=110円で1万ドル、というように利益が乗るにつれて、ロングを追加していく
ピラミッディングは、ポジションを増やす資金に評価益を当てるという考え方であるため、評価益が出ていないと使えない手法である
最初に最も大きい取引量のポジションをもち徐々に数を減らしながらポジションが積み上がっていく形がピラミッドに似ていることから、ピラミッディングと呼ばれる
アメリカの有名な投資家であるジェシー・リバモアやウィニアム・オニールなどもピラミッディングを活用していた
反対の考え方の手法としてナンピンがある
4種類のピラミッディングのやり方
ピラミッディングはいくつか種類がある
- スケールダウンピラミッディング
- 逆ピラミッディング
- イコールポジションピラミッディング
- リフレクティングピラミッディング
それぞれの手法の特徴ややり方は以下の通り
1. スケールダウンピラミッディング
スケールダウンピラミッディングは、追加でエントリーするロットを減らしながら、全体のポジション量を増やしていく手法
例えば、以下のようなケースを見ても分かるように、後からエントリーするほどロットを減らしています。
- 最初に10万通貨で買い注文
- 上昇したので5万通貨追加で買い注文
- さらに上昇した後3万通貨追加で買い注文
- さらにさらに上昇後追加で1万通貨買い注文
基本的には一定の間隔毎に追加注文していくため、ポジション量は増加する
したがって、最初の10万通貨のみを持ち続けた場合よりも、得られる利益が増える
さらに、後から追加で持ったポジションほど量が少ないので、均等に増玉していった場合よりも値動きが反転してトータルマイナスになるまでの猶予が大きい
4つのピラミッディングの中で、最も反転による損失リスクが低く、初心者向けの手法といえる
ただし、最初に建てたポジションが最も大きいため、すぐに逆行した場合の損失額は大きくなる
2. 逆ピラミッディング
逆ピラミッディングとは、最初は少額でエントリーして、追加注文するたびにロットを大きくしていく手法
つまり、スケールダウンピラミッディングと取引量の大きさが逆の手法。
- 最初に1ロットで買い注文
- 上昇したため3ロット追加で買い注文
- さらに上昇した後5ロット追加で買い注文
- 上昇したので追加で10ロット買い注文
最初のエントリーのロットを小さくすることで、すぐに価格が逆行した場合の損失を抑えられる
しかし取引量が多くなってから反転した場合、最初にエントリーしたレートよりも有利なレートであってもマイナスになる可能性が高い
3. イコールポジションピラミッディング
イコールポジションピラミッディングとは、最初のエントリーからずっと同じ量の増玉をしていく手法
例えば、1回目で1万通貨ロングした場合、2回目・3回目も同じく1万通貨ずつ増やしていく
この手法は逆ピラミッディングよりも反転した際の損失リスクを抑えられる
また、スケールダウンピラミッディングと比べると、リスクが高い分利益額を増やしやすい
FXでは証券会社ごとに最低取取引量が1万通貨や1000通貨と決まっており、スケールダウンピラミッディングや逆ピラミッディングは少ない資金では実行しずらいがこのイコールポジションピラミッディングであれば、最小取引単位で増玉を続けるだけなので実行しやすい
4. リフレクティングピラミッディング
最初はポジションを増やしていき、その後徐々にポジションを少しずつ減らす手法
前半の増玉はスケールダウンピラミッディングと同じだが、後半は目標レートに達したらエントリーしたのと同じ順番で利確していく
レート | 追加量 | 利確量 | トータルポジション |
100 | 5万通貨 | 5万通貨 | |
101 | 3万通貨 | 8万通貨 | |
102 | 1万通貨 | 9万通貨 | |
103 | 5万通貨 | 4万通貨 | |
104 | 3万通貨 | 1万通貨 | |
105 | 1万通貨 | 0 |
このような方法でポジションを調整するメリットはポジションを分散し反転したときのリスクを減らしながらも、トレンドの最後まで追従して利益をとることができること
ピラミッディングのメリット
ピラミッディングを使うメリットは最初にエントリーするときの予想が外れた時の損失を抑えることができることである
同じ取引量でも最初から一度に10万通貨でエントリーするのと、4,3,2,1万通貨と段階的にエントリーしていった方が、最初のエントリーの予想が外れた時のダメージが当然小さくすむ
また、リフレクティングピラミッディングの場合、利確する際も最終的な目標レートに到達する前に反転した場合も一部は利確しているので、利益を全く取り損なうという心配がなくなる
ピラミッディングをする3つのリスク
ピラミッディングは、有名なトレーダーも使うほど、多くの利益狙える手法ではあるが、リスクも把握しておく必要がある
ピラミッディングのリスクとしては以下2つが考えられる
- 損失が無限に増え続けるリスクがある
- レンジ相場との相性が悪い
1. 損失が無限に増え続けるリスクがある
ピラミッディングは、基本的にトレンドが続いている限りポジションを追加していく手法である
しかし、トレンドはずっと続くわけではなくどこかでストップして反転してトレンド前の価格まで戻る可能性もある
価格が反転した時に、利確をせずに放置し続けた場合、最初にエントリーしたレートまで戻るまでに必ずトータルがマイナスになることには注意が必要
平均取得単価を参考にしながらどこが現在のポジションの損益分岐点なのかを把握しながら、利確/損切りのレートと取引量を事前に決めておくことが重要
2. レンジ相場との相性が悪い
ピラミッディングは、トレンド相場専用の手法
トレンド相場と考えてエントリーしてもトレンドが始まるように見せかけたダマシであったり、レンジ相場の場合すぐに損切りされるケースが多い
また、特にスケールダウンピラミッディングの場合徐々に取引量を減らしていく形にするために無理に最初の1回目の取引量を増やすと自分の身の丈に合わないトレードになり退場させられてしまう危険がある
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