「金に投資してみたいけれど、現物を持つのはハードルが高そう…」そんな方におすすめなのが「金ETF」です。
金ETFは、金価格に連動して値動きする上場投資信託で、少額から手軽に金へ分散投資できる便利な金融商品です。
この記事では、金ETFの仕組みやメリット・注意点、国内外のおすすめ銘柄、初心者に向いた証券会社までをわかりやすく解説します。
「はじめての金投資」にぴったりな情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
金ETFとは何か?仕組みと特徴をやさしく解説
金ETFは、金の価格に連動して値動きする「上場投資信託」の一種です。現物の金を買うのとは異なり、証券口座を通じて株式と同じように取引できるため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。この章では、金ETFの仕組みや価格の動き方など、基本的な特徴をわかりやすく解説します。
金ETFの基本
金ETFとは、「Exchange Traded Fund(金に連動する上場投資信託)」のことで、実際の金価格の動きに連動して値段が上下する金融商品です。通常の株と同じように証券取引所に上場されており、売買タイミングや価格を自分で決められるのが特徴です。金ETFは、現物の金を保管・輸送する必要がないため、少額から手軽に金への投資が可能です。
また、多くの金ETFは実際に金の現物を裏付けとして保有しているものが多く、価格の透明性や信頼性も高いとされています。個人投資家にとっては、金の値動きに投資したいけれど現物を扱いたくない場合に最適な選択肢です。
金価格との連動性
金ETFの最大の特徴は、金価格に連動するように設計されている点です。たとえば、ロンドン金市場やCOMEX(ニューヨーク商品取引所)などでの金スポット価格や先物価格をもとに、ETFの価格が決まる仕組みになっています。
金ETFによっては、実際に金の現物を保有するタイプ(現物裏付型)と、先物取引などを活用して価格連動を目指すタイプ(先物型)が存在します。価格連動の正確性を重視する場合は、現物保有型のETFがより適しているといえるでしょう。
金ETFのメリットと注意点
金ETFは、手軽さや流動性の高さから初心者にも人気の投資手段ですが、メリットばかりではなく注意すべきリスクも存在します。
この章では、金ETFの主な利点とデメリットの両面を整理し、投資判断の参考になるように解説します。
主なメリット
金ETFにはいくつかの大きなメリットがあります。
まず、少額から投資が可能であり、1万円未満の資金でも購入できる銘柄が多く存在します。
次に、株式と同じように証券取引所でリアルタイムに売買できるため、流動性が高く、売りたいときにすぐ売却できる点も魅力です。
また、金現物のように保管や盗難リスクを気にする必要がなく、保有コストもETFの信託報酬だけで済むケースが多いため、初心者にも扱いやすい金融商品となっています。
注意点とリスク
一方で、金ETFにはいくつかの注意点もあります。
まず、ETFには信託報酬(運用管理費用)がかかるため、長期保有の場合はコスト負担に注意が必要です。
また、価格が金現物に完全に一致するわけではなく、市場の需給や為替レートの影響を受けることもあります。
さらに、金ETFは分配金(配当金)が出ないケースが多いため、インカムゲインを目的とした投資には向いていません。
短期的な金価格の変動により損失が出るリスクもあるため、価格推移や経済動向を見ながらの運用が求められます。
金ETFのおすすめ銘柄を比較!
金ETFは国内外に数多くの銘柄が存在し、それぞれに特徴やメリットがあります。
この章では、日本国内で購入可能な金ETFと、世界的に人気の高い海外ETFをピックアップし、初心者にもわかりやすく比較して紹介します。
投資スタイルや目的に合った商品選びの参考にしてください。
国内で買える金ETF
日本の証券会社で手軽に購入できる代表的な金ETFには、以下のような銘柄があります。
- 【1328】金価格連動型上場投信(NEXT FUNDS):東証上場で流動性が高く、円建てで取引可能な点が特徴。現物保管型で信頼性が高い。
- 【1540】純金上場信託(現物国内保管型):日本国内で現物を保管しているため、為替変動リスクを抑えたい方におすすめ。
- 【1672】WisdomTree 金上場投資信託:コストパフォーマンスに優れたETFで、少額からの分散投資にも向いています。
これらのETFはいずれもNISA対応であり、手数料や保管方式の違いが選定ポイントになります。
海外で人気の金ETF
米国など海外市場には、規模・流動性ともに優れた金ETFが多数存在します。代表的な銘柄は以下の通りです。
- 【GLD】SPDRゴールド・シェア:世界最大の金ETFで、純金の現物保有に裏付けられています。機関投資家からも高い信頼を得ています。
- 【IAU】iシェアーズ・ゴールド・トラスト:GLDよりも信託報酬が低く、コスト重視の個人投資家に人気の銘柄です。
- 【GLDM】SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト:小口投資向けに設計されたETFで、1単位あたりの価格が安いのが特徴です。
海外ETFは米ドル建てで取引されるため、為替リスクや取引手数料にも注意が必要ですが、グローバルな分散投資を目指す方におすすめです。
金ETFの選び方とポイント
金ETFは複数の銘柄から選ぶ必要があるため、何を基準に選べばよいか迷う方も多いでしょう。
この章では、コストや取引所の違いなど、金ETFを選ぶ際にチェックすべき代表的なポイントを解説します。
自分の投資スタイルに合った商品を見つけるための参考にしてください。
経費率や手数料をチェック
金ETFを選ぶうえで最も重要な指標のひとつが「信託報酬(経費率)」です。
これはETFの運用コストにあたり、年率で表示されることが一般的です。
たとえば、同じような内容のETFでも、信託報酬が0.40%と0.10%では長期でのパフォーマンスに大きな差が出る可能性があります。
また、証券会社によっては売買手数料がかかる場合もあるため、取引前に「取引コストの総額」を確認しておくことが大切です。
特に頻繁に売買を行う方は、コストの積み重ねが運用成績に直結します。
取引所と通貨の違い
金ETFは上場している取引所や、取引に使う通貨によって特徴が異なります。
たとえば、日本国内のETFは円建てで東証などに上場されており、日本円での取引が可能です。
一方、米国市場に上場しているETFは米ドル建てで、為替リスクが伴います。
為替リスクを避けたい人には国内ETFがおすすめですが、取扱銘柄や資産規模、流動性を重視する人にとっては、米国ETFの選択肢も魅力的です。
取引所の違いは「市場の流動性」「取引時間帯」「税制面の取り扱い」にも影響するため、自分にとって使いやすい市場を選ぶことがポイントです。
初心者におすすめの購入方法・証券会社
金ETFに興味はあるけれど、「どうやって買えばいいの?」「どこで取引できるの?」と疑問を持つ方も多いはず。
この章では、金ETFを初めて購入する初心者向けに、少額で始める方法や使いやすい証券会社の特徴をわかりやすく解説します。
迷わずスタートできるよう、必要な手順とおすすめの選択肢をまとめました。
少額から始めるには?
金ETFは数千円からでも購入可能な銘柄が多く、まとまった資金がなくても投資を始められるのが大きな魅力です。
たとえば【1328】NEXT FUNDS金価格連動型ETFは、1口あたり5,000円前後で購入可能です(2025年時点)。
購入には証券口座が必要ですが、ネット証券であればスマホから5〜10分程度で口座開設の申し込みができます。
買い方も「株と同じ感覚」でできるため、証券取引が初めての方でもスムーズに始められます。
おすすめ証券会社
金ETFを購入できる証券会社は多数ありますが、初心者に特におすすめなのは以下の3社です。
- SBI証券: 取扱銘柄数が多く、NISAにも対応。取引手数料も業界最低水準。
- 楽天証券: 楽天ポイントが貯まる・使える。使いやすい取引画面も好評。
- マネックス証券: 先進的な分析ツールが豊富で、学びながら投資したい人に最適。
いずれもスマホアプリ対応・無料口座開設が可能なので、自分の使いやすさやポイント制度なども比較して選びましょう。
金ETFと他の金投資手段の違い
金への投資には「金ETF」以外にも、「金現物」「金の投資信託」「金鉱株」などさまざまな方法があります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、自分の投資スタイルに合った選択が重要です。
この章では、代表的な金投資手段と金ETFの違いを比較しながら解説します。
現物・投資信託・先物との比較
金現物は、実際に金の延べ棒やコインなどを購入・保有する方法です。保有の実感があり、有事の際の資産保全として人気がありますが、保管や盗難リスク、買値と売値のスプレッドが広い点に注意が必要です。
一方、金の投資信託は運用会社が間接的に金に投資する仕組みで、毎月の積立などで投資したい人に向いています。
ただし、信託報酬が高めで、ETFよりも売買の自由度が低い傾向があります。
金先物は、将来の金価格を予想して売買する高度な金融商品で、短期トレードやヘッジ目的で使われますが、レバレッジがかかるため初心者にはハードルが高めです。
金鉱株ETFとの違い
金鉱株ETFは、金を採掘・加工・販売する企業の株式で構成されたETFです。
金価格が上昇すると利益が増える傾向があるため、金価格との連動性もありますが、企業業績や株式市場の影響も受けるため、金ETFよりも値動きが激しくなることがあります。
「金そのもの」に投資したい場合は金ETF、「金に関連する企業の成長も取り込みたい」場合は金鉱株ETFが選択肢になります。
より安定した価格連動性を求めるなら、現物裏付けの金ETFが適しています。
金ETFに関するよくある質問
最後に、金ETFに関して初心者の方からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
購入のタイミングや税金・手数料のことなど、不安や疑問をここでスッキリ解消しましょう。
どのタイミングで買うべき?
金ETFは一括で購入する方法と、積立のように定期的に買い増す方法があります。
短期的な価格変動を読んで買うのは難しいため、初心者には「ドルコスト平均法」で定期的に購入する方法がおすすめです。
また、インフレ懸念や金融不安が高まる局面では金価格が上昇しやすくなる傾向があるため、そうしたニュースが出始めたタイミングでの投資も一つの参考になります。
税金や手数料はどうなる?
金ETFの売却益には、他の株式と同様に「譲渡所得課税(約20.315%)」がかかります。
ただし、NISA口座で購入した場合は一定の非課税枠が適用され、利益に税金がかかりません。
また、ETF自体には「信託報酬」という運用コストがかかりますが、これは日々の価格に反映されているため、個別に支払う必要はありません。
証券会社によっては売買時の手数料も発生するため、事前に確認しておきましょう。
金のETFのおすすめのまとめ
金ETFは、少額から金に投資できる便利な金融商品で、現物の金を持たずに価格連動による値上がり益を狙えるのが特徴です。
特に初心者にとっては、保管リスクがなく、株と同じように取引できる点が大きな魅力です。
本記事では、金ETFの仕組みやメリット・デメリット、おすすめ銘柄の比較、選び方や購入方法までを解説しました。
国内外のETFや証券会社を上手に活用すれば、自分に合ったスタイルで金投資をスタートできます。
「インフレ対策」「資産分散」「安全資産への投資」など、金ETFは今後ますます注目される投資手段です。
この機会に、自分のポートフォリオに金ETFを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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