ETFとは？初心者でもわかる仕組み・メリット・始め方を完全ガイド

「ETF（上場投資信託）」という言葉を耳にしたことはあるけれど、「難しそう」「投資信託と何が違うの？」と感じていませんか？

ETFは、初心者でも少額から始めやすく、分散投資やコスト面でメリットの大きい金融商品です。

この記事では、ETFの基本的な仕組みからメリット・デメリット、投資信託との違い、購入方法やおすすめの活用法までを初心者にもわかりやすく解説します。

「これからETFを始めてみたい」「気になっていたけどよく分からない」という方に向けて、図解や事例も交えてしっかりナビゲートしていきます。

ETFとは？基本のしくみと特徴

ここでは、ETFの基本的な概念や仕組みについてわかりやすく解説します。

「ETFとはそもそも何なのか？」「なぜ注目されているのか？」といった初歩的な疑問に答えながら、株価指数との連動性や仕組みの特徴についても紹介します。

これからETF投資を始めたい方にとって、まず最初に押さえておきたい内容です。

ETFの定義と仕組み

ETF（Exchange Traded Fund、上場投資信託）とは、株式と同じように証券取引所に上場されている投資信託のことです。

通常の投資信託と異なり、ETFは証券取引所を通じてリアルタイムで売買できる点が大きな特徴です。

ETFは、株価指数（日経平均やS&P500など）や特定の資産（債券・金・不動産など）に連動するように設計されており、1本で複数の銘柄に分散投資できる仕組みになっています。

仕組みとしては、ETFの運用会社が株式や債券などを実際に保有し、それをもとにETFの口数を発行します。

投資家は証券会社を通じて、このETFを市場で売買することができ、株式と同様に価格は常に変動しています。

また、多くのETFでは信託報酬（運用管理費用）が低く設定されており、コストを抑えながら効率的に資産運用ができる点も魅力です。

株価指数との連動

ETFの大きな特徴のひとつが、「特定の株価指数に連動するように設計されている」という点です。

たとえば「日経平均株価（225）」や「TOPIX」「S&P500」など、ニュースなどでもよく目にする指数がありますが、ETFはこうした指数の動きにできるだけ近い値動きをするよう運用されます。

具体的には、ETFを運用する会社が、その指数に含まれる銘柄をほぼ同じ比率で保有し、全体として指数と同じような動きをするポートフォリオを作ります。

そのため、ETFを1本保有するだけで、日経平均やS&P500の構成銘柄にまとめて投資しているのと同じ効果が得られます。

なお、ETFには「インデックス型」と呼ばれるものが多く、これが株価指数に連動するタイプです。

以下に、S&P500指数とVOOの主要構成銘柄を比較した表を示します（2025年5月時点）。

このように、VOOはS&P500指数の構成銘柄とほぼ同様の比率で銘柄を保有しており、指数に連動した運用が行われていることがわかります。

投資初心者にとっては、個別株を選ぶよりもリスクを分散しやすく、運用の手間も少ないため、はじめての投資手段として注目されています。

ETFのメリットとデメリット

ETFは「少額で分散投資ができる」「信託報酬が低い」など多くの魅力がある一方で、注意すべき点もあります。
このパートでは、初心者が知っておくべきETFのメリットとデメリットをそれぞれ整理し、失敗しないための判断材料を提供します。

ETFのメリット一覧

ETFには、以下のようなメリットがあります。投資初心者でも始めやすく、効率的に資産運用を行える仕組みが整っています。

• 少額から分散投資が可能
  ETFは1本で複数の銘柄に投資できるため、少額でもリスクを分散した投資ができます。
• 信託報酬などの運用コストが低い
  一般的な投資信託よりも信託報酬が安く、長期保有でもコストが抑えられます。
• リアルタイムで売買できる
  株と同じように市場が開いている時間であれば、いつでも売買でき、価格もリアルタイムで変動します。
• 透明性が高い
  多くのETFは毎日、保有銘柄や構成比率を公開しており、運用内容が確認しやすいです。
• NISA口座にも対応
  多くのETFは新NISAやつみたてNISAでも購入でき、非課税メリットを活かせます。

このように、ETFは「手軽」「低コスト」「分散投資」といった点で、特に投資初心者に向いている金融商品です。

ETFのデメリット一覧

ETFには多くの利点がありますが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。あらかじめ把握しておくことで、誤解や思わぬ損失を避けることができます。

• 分配金が自動再投資されない
  通常の投資信託と異なり、ETFでは分配金が現金で支払われ、自動で再投資されません。再投資するには自分で買い直す必要があります。
• 指値・成行など取引の知識が必要
  ETFは株式と同じように注文方法を選ぶ必要があり、初心者にとってややハードルが高いと感じることがあります。
• 価格が指数と多少ずれることがある
  市場で売買されるため、基準価額（NAV）と実際の取引価格が乖離することがあります。これを「価格乖離」と呼びます。
• 流動性が低いETFは売買しづらい
  出来高の少ないETFは、売買のタイミングによっては希望する価格で取引できないことがあります。
• 一部の商品は為替リスクがある
  海外ETFなど、外国資産に投資する商品は為替の影響を受けるため、円高・円安の動きによって損益が変動する可能性があります。

これらのデメリットを理解し、自分の投資スタイルや目的に合った商品選びを心がけることが大切です。

ETFと投資信託の違い

ETFと投資信託は、どちらも複数の銘柄に分散投資できる金融商品ですが、仕組みや購入方法、コスト面などに違いがあります。

ここでは、両者の違いをわかりやすく比較し、あなたにとってどちらが向いているのか判断できるようになることを目指します。

購入方法の違い

ETFと投資信託では、購入の仕組みやタイミングに大きな違いがあります。

投資信託は「基準価額（1日に1回決まる価格）」で購入し、主に証券会社や銀行を通じて注文します。

一方、ETFは株式と同じように、証券取引所で「市場価格」によってリアルタイムに売買されます。

たとえば投資信託では「今この金額で買いたい」と思っても、実際の購入価格は注文を出した後に決まるため、約定価格は終値ベースで後からわかります。

ETFの場合は、株と同じように指値注文（価格を指定）や成行注文（価格を指定しない）などができるため、自分のタイミングと希望価格で取引できます。

このように、ETFの方がより「株式に近い自由な取引」が可能ですが、その分、最低限の注文ルールの知識が必要になります。

コストや信託報酬の違い

ETFと投資信託では、投資にかかる「コスト」や「信託報酬（運用管理費用）」にも違いがあります。

これらは投資成果に大きく影響するため、あらかじめ理解しておくことが重要です。

ETFの信託報酬は、一般的に投資信託よりも低く設定されています。

たとえば、S&P500に連動するETFでは信託報酬が年率0.1%前後のものもありますが、同じ指数に連動する投資信託では0.2～0.4%程度かかる場合もあります。

また、投資信託では「販売手数料」が発生する商品もありますが、ETFは基本的に株式と同様に証券会社の取引手数料のみです（最近では取引手数料無料の証券会社も増えています）。

ただし、ETFは売買のたびに価格が変動するため、「スプレッド（買値と売値の差）」によって実質的なコストがかかることもあります。

このように、コスト面ではETFが有利な傾向がありますが、購入時のタイミングや価格変動も考慮して比較することが大切です。

ETF投資信託の向いている人の違い

ETFと投資信託は、どちらも分散投資ができる便利な金融商品ですが、投資スタイルや目的によって「どちらが向いているか」は異なります。

ここでは、それぞれがどんな人に向いているのかを整理してみましょう。

• ETFが向いている人
  ・リアルタイムで取引したい
  ・なるべく運用コストを抑えたい
  ・株式と同様の自由な取引に慣れている、あるいは学ぶ意欲がある
  ・自分でタイミングを見て売買したい
• 投資信託が向いている人
  ・日々の価格変動を気にせず、長期的にコツコツ積立したい
  ・売買のタイミングを気にせず自動で運用したい
  ・初心者で注文方法に不安がある
  ・分配金を自動で再投資してほしい

このように、ETFは「能動的に投資したい人」に向いており、投資信託は「おまかせで投資したい人」に向いていると言えます。

自分の性格やライフスタイルに合った商品を選ぶことが、投資を長く続けるコツです。

ETFの種類と代表的な銘柄

ETFには、株式を対象としたものだけでなく、債券・不動産・商品（コモディティ）などさまざまな種類があります。

また、短期売買向けに設計されたレバレッジ型やインバース型のETFも存在します。

このパートでは、代表的なETFのタイプとそれぞれの特徴について紹介します。

• 株式型ETF
• 債券型ETF
• レバレッジ型やインバース型

株式型ETF

株式型ETFは、株価指数やテーマに連動して構成されるETFで、もっとも一般的かつ人気のあるタイプです。
日本国内・海外の株式市場を対象としており、幅広い企業に分散投資できます。

代表的な株式型ETFには以下のようなものがあります：

• 日経平均株価連動型（例：NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信）
  日本の代表的な株価指数「日経平均株価」に連動し、大企業を中心に構成されています。
• TOPIX連動型（例：TOPIX連動型上場投信）
  東証プライム全体の動きを反映する「TOPIX」に連動し、より市場全体に近い動きが期待されます。
• S&P500連動型（例：iシェアーズ・コア S&P 500 ETF）
  アメリカの代表的な株価指数「S&P500」に連動し、米国の主要企業に広く分散投資できます。
• 全世界株式型（例：バンガード・トータル・ワールド・ストックETF：VT）
  世界中の株式市場を対象にしたETFで、1本で国際分散投資が可能です。

株式型ETFは、成長性と分散性を兼ね備えており、中長期での資産形成を目指す投資家にとって有力な選択肢となります。

債券型ETF

債券型ETFは、国債や社債などの債券に投資するETFです。株式よりも値動きが穏やかで、安定的な運用を目指したい人に向いています。

特に、金利や景気動向に左右されやすい株式に対するリスクヘッジとして、ポートフォリオの一部に組み入れるケースがよく見られます。

債券型ETFには以下のような種類があります。

• 日本国債型（例：上場インデックスファンド日本国債）
  日本の長期国債などを対象としたETFで、非常に価格変動が小さく安定した値動きが特徴です。
• 米国債型（例：iシェアーズ 米国国債7-10年 ETF）
  米国財務省が発行する国債に投資するETFで、為替リスクはあるものの利回りの高さが魅力です。
• 社債型（例：iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF）
  民間企業が発行する社債を対象にしたETFで、国債よりも利回りが高い傾向があります。

債券型ETFは、株式型ETFよりもリスクを抑えた運用をしたいときや、資産全体のバランスを整える目的で活用されます。

レバレッジ型やインバース型

レバレッジ型ETFやインバース型ETFは、短期的な値動きを狙って設計された特殊なETFです。
中長期保有を目的とした一般的なETFとは異なり、「短期トレード向け」の性格が強いため、仕組みを正しく理解したうえでの活用が重要です。

• レバレッジ型ETF
  対象となる指数の値動きに対して、2倍や3倍などの値動きを目指すETFです。
  たとえば「日経平均が1%上昇すれば、ETFは2%上昇する」といった動きになります。
  高リターンが狙える一方で、下落時の損失も2倍・3倍となるため、ハイリスクです。
• インバース型ETF
  指数の下落に連動するよう設計されたETFで、「相場が下がったときに利益が出る」仕組みです。
  下落局面でのヘッジ（損失回避）や短期的な空売り代替手段として使われることがあります。

これらのETFは日々の値動きに対して調整が行われるため、長期保有すると本来の指数とのズレが大きくなることがあります。

そのため、デイトレードや短期売買の経験がある中・上級者向けの商品といえるでしょう。

ETFの買い方と売り方

ETFは、株式と同じように証券取引所を通じて売買できる金融商品です。

このパートでは、ETFの買い方・売り方について、初心者でも迷わず実践できるよう、証券口座の開設から注文方法、価格の決まり方まで順を追って解説します。

証券口座の開設と注文方法

ETFを購入するには、まず証券会社で証券口座を開設する必要があります。

最近では、スマホやパソコンから簡単に申し込みができ、最短で当日〜数日で口座が開設されます。

証券口座の開設が完了したら、ETFの銘柄コード（例：日経225ETFのコードは「1321」など）を検索し、購入画面から注文を出します。

注文方法には主に以下の2種類があります：

• 成行注文（なりゆきちゅうもん）
  価格を指定せず、その時の市場価格で即座に売買する方法。スピード重視の注文方法です。
• 指値注文（さしねちゅうもん）
  「〇〇円になったら買う（売る）」というように価格を指定して注文を出す方法。希望価格での売買を狙う場合に便利です。

注文時には、「購入単価 × 数量」に加えて、証券会社によっては売買手数料が発生する場合もあります（現在は無料の会社も多くなっています）。

また、ETFは取引時間中（平日9:00〜15:00など）であればいつでも売買ができるため、タイミングを見ながら投資判断を行うことも可能です。

リアルタイム取引と価格の決まり方

ETFは、株式と同じように証券取引所でリアルタイムに売買されます。

そのため、ETFの価格は市場の需給（買いたい人と売りたい人のバランス）によって常に変動しています。

一般的な投資信託は、1日に1回「基準価額（NAV）」が算出され、それが購入価格となりますが、ETFは刻一刻と変わる市場価格で売買されます。

このリアルタイム性により、投資家は自分のタイミングで「今この価格で買いたい／売りたい」という判断を即座に実行できます。

ただし、ETFの市場価格とその裏付けとなる基準価額（NAV）との間に「価格乖離（かいり）」が生じることもあります。

たとえば、市場での取引が加熱して価格が上がっている場合、実際の価値よりも割高な価格で取引されている可能性があります。

このような価格の動きは、ETFの流動性や人気、為替の影響（海外ETFの場合）によって左右されることがあります。

できるだけ割高・割安を避けた取引をするために、「取引価格」と「基準価額」の両方を意識することが重要です。

海外ETFと国内ETFの違い

ETFには、日本の証券取引所に上場している「国内ETF」と、米国などの海外市場に上場している「海外ETF」があります。

それぞれに特徴や注意点があり、投資スタイルや目的に応じて使い分けることが大切です。

このパートでは、取引できる時間帯や為替リスクなど、国内ETFと海外ETFの主な違いを解説します。

市場の違いと取引時間

国内ETFと海外ETFの最も大きな違いのひとつは、「どの市場に上場しているか」と「取引可能な時間帯」です。

国内ETFは、東京証券取引所（東証）などの日本国内の取引所に上場しており、取引時間は日本の株式市場と同じく「平日9:00～11:30、12:30～15:00」です。

日本円で取引されるため、為替の影響を受けにくく、日中に売買を完結できるのが特徴です。

一方で、海外ETFは、米国のNYSE（ニューヨーク証券取引所）やNASDAQなどに上場しています。

取引時間は現地時間に基づいており、日本時間では「23:30〜翌6:00（夏時間）」「0:30〜翌7:00（冬時間）」が基本です。

夜間の取引となるため、会社員など日中忙しい方にはむしろ都合が良いケースもあります。

また、海外ETFは取引通貨が米ドルであることが多く、別途「外貨預り金」や「為替の両替手続き」が必要になる点も国内ETFとの違いです。

このように、ETFが「どこの市場に上場しているか」によって、取引のしやすさや手間が大きく変わってきます。自分の生活スタイルや取引時間を考慮して選ぶとよいでしょう。

為替リスクの有無

ETFの投資対象が海外資産である場合、「為替リスク」が発生します。

これは、投資成果が為替相場の変動によっても左右されることを意味します。

たとえば、米国ETFに投資していて、ETF自体が値上がりしても、同時に円高が進行した場合、最終的に円換算でのリターンが目減りする可能性があります。

逆に、円安が進めば為替差益がプラスに働くこともあります。

一方、国内ETFの中には、為替リスクがないか、あらかじめ「為替ヘッジ」が施されている商品もあります。

為替ヘッジとは、為替の変動による損益を一定程度抑えるための仕組みで、為替リスクを避けたい投資家に適しています。

ただし、為替ヘッジ付きETFはヘッジコスト（手数料）がかかる場合もあるため、長期運用を考える場合は、コストとのバランスを考慮する必要があります。

このように、ETFを選ぶ際には「為替リスクがあるのか」「ヘッジの有無」「通貨建て（円 or ドル）」といった点も重要なチェックポイントになります。

ETFにかかる費用と信託報酬

ETFは一般的に低コストで投資できる金融商品として知られていますが、それでも購入時や保有中にはいくつかの費用がかかります。

このパートでは、ETFにかかる代表的な費用である「購入時の手数料」と「信託報酬」について、それぞれ詳しく解説します。

購入時の手数料

ETFを購入する際には、証券会社によって「売買手数料（取引手数料）」が発生する場合があります。

これは、株式を取引するときと同じで、「1回の取引あたり」または「取引金額に応じて」手数料が設定されています。

最近では、楽天証券やSBI証券など多くのネット証券で「主要ETFの取引手数料が無料」となっていることも多く、実質コストゼロで購入できるケースも増えています。

ただし、ETFには「スプレッド」と呼ばれるコストも存在します。スプレッドとは「買値と売値の差」のことで、流動性の低いETFではこの差が大きくなることがあります。

その結果、実質的には買った瞬間に若干の含み損が出る場合もあるため、できるだけ出来高が多く、スプレッドの狭いETFを選ぶと安心です。

また、海外ETFを購入する場合には「為替手数料（両替コスト）」が発生する点にも注意が必要です。

証券会社によっては為替スプレッド（円→ドル、ドル→円）を低く設定しているサービスもあるため、選ぶ際のポイントになります。

運用中の信託報酬

ETFを保有している間は、「信託報酬（しんたくほうしゅう）」という運用管理費用が発生します。

これはETFを運用している資産運用会社に支払うもので、ETFの価格や保有期間に応じて間接的に差し引かれる形になります。

信託報酬は年率で表示され、ETFの種類や運用会社によって異なります。たとえば、代表的な低コストETFでは年率0.05〜0.2%程度と非常に低く設定されています。

一方で、アクティブ型ETFや新興国に投資するETFなどは、年率0.5%〜1.0%以上と高めに設定されていることもあります。

信託報酬は毎日少しずつETFの純資産から自動で差し引かれるため、目に見える形で請求されることはありませんが、長期保有するほど影響が大きくなります。

そのため、ETFを選ぶ際は「信託報酬がどれくらいかかるか？」を比較し、同じような投資対象であれば、なるべくコストの低い商品を選ぶことが基本となります。

初心者におすすめのETF活用法

ETFは、少額から始められ、分散投資もしやすいため、投資初心者にとって非常に魅力的な商品です。

このパートでは、「どのようにETFを活用すれば初心者でも安心して投資を続けられるのか」という視点から、実践的な活用法を解説します。

少額から始められるETF投資

ETFは1口（単元）単位で購入できるため、数千円〜数万円程度の少額から投資を始めることができます。

たとえば、東証に上場している国内ETFなら、1口あたり2,000〜5,000円程度の価格帯の商品も多く、無理のない範囲で資産運用をスタートできます。

また、ネット証券を利用すれば取引手数料が無料または非常に安価に抑えられるため、少額投資でもコストの負担が軽く、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。

「まずは試してみたい」「少しずつ勉強しながら投資したい」という方にとって、ETFは最適な入り口となるでしょう。

さらに、定期的に積み立てていく「ドルコスト平均法」との相性も良く、相場の上下に左右されにくい投資スタイルを実現できます。

長期保有と分散投資

ETFは、長期的に資産を育てる「積立・ほったらかし投資」と非常に相性が良い金融商品です。

1本のETFで数十〜数百の銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えながら安定した資産形成を目指すことができます。

たとえば、S&P500に連動するETFを長期保有すれば、米国の代表的な企業500社への分散投資が可能になります。

また、全世界株式ETF（例：VT）を選べば、先進国から新興国まで、世界中の市場に広く投資できる点も魅力です。

長期保有により、短期的な価格変動に一喜一憂せず、複利の力を活かして資産を増やしていけるのがETFの強みです。

毎月一定額ずつETFを買い続ける積立投資を行えば、ドルコスト平均法の効果で購入単価の平準化も図れます。

このようにETFは、少額で始められ、長期かつ分散投資を実践しやすいことから、投資初心者にとって安心かつ効果的な資産形成ツールといえるでしょう。

ETFのよくある質問（FAQ）

Q. ETFと投資信託の違いは何ですか？

ETFは証券取引所に上場されていて、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。
一方、投資信託は1日に1回算出される「基準価額」で売買され、注文後に価格が決まる仕組みです。ETFの方が柔軟な取引が可能ですが、注文方法の知識も必要になります。

Q. 初心者におすすめのETFはありますか？

代表的なものとして「日経225連動型ETF（1321）」や「iシェアーズ・コア S&P500 ETF（IVV）」などがあります。
分散性が高く、信託報酬も低いため、長期投資に適しています。少額から投資できるのも初心者にとって魅力です。

Q. ETFに分配金（配当金）はありますか？

はい、多くのETFは年に1回または複数回、分配金（配当金）を支払います。ただし、自動で再投資されるわけではなく、現金で支払われます。
分配金の有無や頻度はETFごとに異なるので、商品選びの際に確認しておきましょう。

Q. 海外ETFを買うにはどうすればいいですか？

海外ETFは、外国株式の取扱いがある証券会社（例：SBI証券、楽天証券など）で購入できます。
取引には米ドルが必要なため、口座内で日本円をドルに両替する必要があります。為替手数料にも注意しましょう。

Q. NISAや新NISAでETFを買うことはできますか？

はい、できます。特に国内ETFの多くは、成長投資枠の対象として新NISA口座での非課税投資が可能です。
ただし、つみたて投資枠に使えるETFは限定的なので、商品ごとの適用条件を確認することが重要です。

ETFのまとめ

ETFは、少額から始められて、分散投資ができ、コストも抑えやすいという点で、初心者にとって非常に扱いやすい投資商品です。

株式のようにリアルタイムで取引できる自由度と、投資信託のような分散性の両方を兼ね備えているため、「まず投資を始めてみたい」という方にはうってつけの選択肢と言えるでしょう。

この記事では、ETFの仕組み、種類、メリット・デメリット、買い方、国内外ETFの違い、そして初心者向けの活用法までを幅広く解説しました。

投資に正解はありませんが、「仕組みを理解して自分に合った投資をすること」が成功の第一歩です。

ぜひこの記事を参考に、自分の投資スタイルに合ったETFを見つけ、資産形成の第一歩を踏み出してみてください。