みなさんは最近「VR」や「AR」という言葉を目にすることが多くなったと思いませんか?
VR(Virtual Reality:仮想現実)とは、コンピューターで生成された映像や音響などによって、現実とはまったく別の仮想環境を体験できる技術のこと。一方のAR(Augmented Reality:拡張現実)は、現実の視界に3Dの情報を重ねて表示する技術を指します。
この先端テクノロジーが、いまやさまざまな分野に活用されつつあり、フィンテック(金融×テクノロジー)の面でも大きな影響を与えそうです。
そのフィンテック最前線にあるのが、「VR/ARオムニチャネル決済」と呼ばれる革新的な決済サービスなのです。
VR/ARオムニチャネル決済とは一体何か?その名の通り、VRやARの技術を使って、リアルな店舗とデジタル空間の両方で、シームレスな決済を実現するサービスのことです。つまり、実店舗とオンラインを自在に行き来しながら、途切れることなく買い物と決済が可能になるわけです。
具体的にはこんな感じですね。
例えば街を散策していて気になるお店があれば、ARアプリを使ってそのお店の仮想店舗に入店できます。中に入るとその店の商品が現実とデジタルの融合した店内に並んでいます。気に入った商品をARで試着してみて、ここで気分を変えてVRモードに切り替えてみる。すると仮想空間の店内に入り、よりリアルな買い物体験ができるようになるわけです。
そしていよいよ購入の際、自分のアバターを操作してデジタル決済カウンターへと移動。そこでは非対面での顔認証を済ませるなどして、スムーズな決済を行うことができます。支払い方法はデジタル通貨にクレジットカードなど、柔軟に選択可能です。
購入が完了したらリアルの店舗にその商品が届けられるか、自宅に配送される。もちろんリアルな店舗で商品を直接受け取ることもできます。要するに、デジタル店舗とリアル店舗を自在に行き来しながら、ストレスなく買い物と決済が完結するのがVR/ARオムニチャネル決済の最大の魅力なのです。
ついでにもう一つ例を挙げれば、リアルの店舗にいながら、VRゴーグルを装着することで店内がデジタル空間に切り替わり、そこでAI店員の接客を受けたり、自宅のようなプライベートな雰囲気の中で買い物を楽しめたりするといったこともできるわけです。
つまり実店舗とデジタル空間を自在に連携させ、利用者にとってストレスのないシームレス体験を提供できるのが、VR/ARオムニチャネル決済の最大のメリットなのです。
この仕組みが実現できるのは、フィンテック技術の発達によるところが大きいと言えるでしょう。IoTデバイスの普及や、ビッグデータ解析、AIやブロックチェーン技術の活用など、最先端のテクノロジーが決済に取り入れられたことで、従来には考えられなかった革新的なサービスが実現できるようになってきているのです。
ですが実はVR/ARオムニチャネル決済には、さらに大きな意義があります。それは、決済を通じてリアルとデジタルの垣根を越えることにあるのです。
従来の決済サービスは、リアルの店舗かオンラインのいずれかのチャネルで完結するのが一般的でした。しかし、VRやARを活用することで、物理的な店舗空間とデジタル空間を融合させ、あらゆるチャネルを自在に行き来できるようになったのです。
まさに「オムニチャネル」の名にふさわしく、場所やチャネルを選ばずシームレスな体験ができるようになるわけですね。買い物だけでなく、金融取引や各種サービスの手続きなどでも、この決済サービスなら物理とデジタルを問わず、最適な選択が可能になります。
VRやARテクノロジーが、私たちの生活をリアルとデジタルの垣根なく、より自由で利便性の高いものへと変えていく。VR/ARオムニチャネル決済はまさにその幕開けを飾る、フィンテック版の旗手ともいえるサービスなのです。
もちろん課題もあります。VRやARに馴染めない利用者もまだ多数いるでしょうし、デバイスの価格や使い勝手の問題、通信ネットワークの課題など、ハードル は残されています。
しかしながら、フィンテックはさらなる技術革新を続け、利用者にも理解を深めてもらうことで、徐々にこうした障壁を乗り越えていくと考えられます。
そしていつの日か、VRやARは誰もが日常的に使うデバイスとなり、リアルとデジタルの垣根がなくなった社会が到来するかもしれません。そうした時代に向けて、これからもVR/ARオムニチャネル決済は進化を重ねていくことでしょう。
この決済サービスには、オムニチャネルにとどまらず、オムニポテンシャルという意味合いも込められています。つまりVRやARの無限の可能性を秘めた、究極の決済サービスを目指すという意味なのです。
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